78：エジソンてあの…？ ページ39
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先程から溜息をつきながら街灯をいじる(？)マスターのウィリアムさん(？)の傍へとなんとなく近づき隣へと座ってみる。というのも、なにをしているのか気になったのだ。子供の好奇心だとでも思ってくれればいい。
「街灯の配線…？」
「んー？うん…。エジソンがこの街灯が調子が悪いのは電球が切れてるからじゃなくて回線に問題があるからだって聞かなくてさ…」
「マスター！見てわからないのか。やはりまだまだ私の足元には及ばぬようであるな。ここを見よ。この回線」
「どの回線だっていうの…嗚呼、そこ。確かにショートしてるな…んー。でも直すにせよ代わりの配線ないし…そっか。礼装くん、配線作ってよ」
全く悪びれる様子もなく、樹がウィリアムの隣に屈んだ都合上、隣に立っていたフィンに声をかけるウィリアム。そんな相変わらずな彼にフィンもまた悪気がないことを理解している故に特に機嫌を損ねるという様子もなく小さく溜息をつくのだった。
「配線に使うには私の"水銀"は貴重すぎるだろう」
「冗談…そもそも、配線に使えないしね。ハイネスが煩い。…となると面倒だけど回路の繋ぎ方を変えるしかないかなぁ」
「回路って、直流とか交流とかのこと…？俺じゃこれ並列なのか直列かさえよくわからないや」
と、男の子ながらにこういったものに少なからず関心があるのだろう。
だが、その樹のひとことが火種となった。そう、ここキャスター陣営においてその話題は…
「……そうか、君。みたところ小学生…ということは丁度習ったくらい…なら、今のうちに知っておくんだ。これは、こことここの配線を辿ればわかる。わからなかった場合は元を辿る。これを意識すれば大体のことは解決できるんだ…それで、これはどっちだと思う？」
唐突に饒舌になウィリアムを前にハテナが複数樹ではあったが、あまりに真剣に教えてくれるものだから一緒になって配線を覗いて言われたとおりに辿ってみる。
「やっぱり見ただけじゃわからないけど…交流なのかな…」
「理由は？」
「えっと、先生が街灯とか家でコンセントから使ってる電流のほとんどが交流を使ってるって」
これがそのまさに火種だ。
「なん…だと？君、今の主流は直流ではなく交流といったのか」
「(ラ、ライオン仮面がっ…ていうか、あれ？さっき、エジソンてまさか)…っ？？」
「あっはっはっは！ほらな、だから僕が言ったじゃないか！！この世の中、勝っているのは交流なんだよ。エジソン」
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