【Fate/GrandOrder】北米聖杯戦争Ⅱ【派生作品】 (ページ31)

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71：これからのことページ31

ちらほらマスターも揃い、始まる会合の時間。現役FBI捜査官であるシェーンが中心となり、段取りよく説明された内容は前日にアレキサンダーから聞かされた内容とほぼ同様であり事前に聞かされていたことに感謝する。

この場で聞かされたら間違いなく動揺していただろうから。

そして、本題であるわけだが、シェーンの提案としては２つ。１つは、マスターとしての戦闘はこの騒動が収まるまでは一時中断すること。無論、事態を解決するために少しでも交絡因子をなくすための行為だ。

２つ目は、お互いを見張り合うもしくはお互いを守るためにも２人１組で行動をするということ。

この提案は全マスターに同意を得ることができ実行となるわけだが。

「それでライダーの欠席は聞いているが…アーチャー。君のところのマスターが見えないようだが」

シェーンが金髪の彼に声をかければ、言われてみれば彼のマスターであるサティラの姿が見えないことに気付く。

まさか、と身構える樹であるわけだが幸い予想は外れることになるのだから胸を撫でおろす。
が、嫌にこのサーヴァントの態度が大きいことが気になる。

「そうそう、そのことなんだけど。僕のマスターはこの度、聖杯戦争から離脱することにしたよ。今日はそれを伝えにきたんだ。嗚呼、勿論、令呪もしっかり３画使ったから安心してよ。もし、信じられないようなら確認してくれてもいい」

座っていたテーブルからひょいっと降りれば、腕を組みにこりと微笑む男の子。
謎の風格を見せる彼がおそらくアレキサンダーの言っていた"ギル君"なのだろうが…ギルくん、ギルくん…ん？！と、脳内で思考回路が繋がる樹。

「僕のマスターは一般人だからね。これ以上、首を突っ込む理由もないし平和に生きて欲しいんだ」

「わかった。が、君はどうするつもりだ」

「安心してよ。君が思ってるようなことはしないから。それと、一応言っておきたかったんだけどさ」

"もし僕のマスターに手をだすような不埒な人間がいたら消し飛ばすからよろしくね"

なんて物騒に笑ってみせる。
そんな笑顔で樹は嫌でもわかってしまった、彼の正体が。

「…君のマスターについてはFBIが責任をもって護衛すると約束しよう」

「助かるよ。おにーさん。じゃあ、僕の用事はもうないから失礼するよ」

翻ればその場をあとにしようとする男の子の手を握る樹。

理由なんてわからない。だけど、どうしてか握ってしまったのだから説明なんてできるはずもない。