52：凸凹コンビ ページ8
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長い夜が明け、魔術師の呼び掛けにより集まるウルの民。無論、この場を構築する空気はお世辞にも良いとは言えず。
樹を含むサーヴァントたちはこの都市の状況を把握できているためこの空気に動じることも無いわけだが、そんなことよりもだ。
どうにもあの猫が見当たらない。
マーリンが民に問いを投げる中、腕を組みムーンを探す樹であるわけだがこれがまた本当の本当に見当たらないのだ。
｢来るって言ってたのに…彼奴。｣
というのも、奴がいるのといないのでは民からの印象も段違いに変わる。
ならばあの存在は彼らにとって必要不可欠といっても過言では無いのだ。
もう正直猫型だろうが人型だろうがどうだっていい。
兎角、ある程度の威厳を保ちこの場に現れてくれたのならば民もきっとそのオーラ的ななにかで察してくれるだろう、うん。
だからとりあえず姿を現せ、と。
そう思ってはいるわけだが、それに反してこの不穏な空気。
正義感の強い藤丸とマシュが民を問い質してしまう前に来て欲しいのが本音なわけだがそうは世の中甘くない。
｢あまり期待するなよ。奴らは元より気風が自由すぎるからな｣
いやだからお前が言うなよ。とじとりとした視線を送るもどこか愛らしい姿に、うぐと声を零す。
それは今の自分が女性の型をとってるが故か。
｢まさかこれが母性本能じゃないよな…いや落ち着け、俺…相手はあのギルだぞ｣
｢なにをごちゃごちゃと言っておるのだ。さてはこの我の愛らしさに気でも取られていたのか？フハハハハ｣
｢本当にギルって喋ると大分残念なるよな｣
最初は声を潜ませてはいたものの段々と増す声量に民の注目を集めるふたり。
その事実に気づいた時にはすでに遅く、やや引き攣った笑顔を浮かべる女性は、我が子の絹糸に手を添えペコペコと頭を下げるのだった。
｢本当にすみませんでした…｣
｢何故我まで…ﾊｯ、どうしてぼ、僕まで頭を下げないといけないの、お母様｣
｢……悪いことをしたら謝るのは当然のことなのよ？そんなこともわからないのかしら？｣
とまたこうして子供と大人の物理的な意味での取っ組み合いが開始されるわけだが、段々とこの光景が日常化してきた影響か。
特に気にすることもなく、また若干の冷ややかな視線を向けられこの場は一時凌ぐことができた(？)のだった。
｢ギルにお母様とか言われると鳥肌半端ないわ｣
｢それはこちらの台詞だわ！｣
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湊(プロフ) - ねづさん» お返事が遅れてしまい申し訳ありません！コメントいただきありがとうございます。まだまだ序盤なので完結できるよう頑張らせていただきますね(｀・ω・´) (2020年7月30日 20時) (
レス) id: ab18fde111 (このIDを非表示/違反報告)
ねづ - 続編おめでとうございます！これからも応援してます！！頑張ってください！！！ (2020年5月11日 9時) (レス) id: 2a8953498e (このIDを非表示/違反報告)
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