72：懐かしい ページ28
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天に向け放たれる無数の武具。
その１つ１つが英雄たちの原点…またの名を"宝具"と呼ばれる。
それらがふんだんに空へと放たれ、だがその個々は成人した彼のものより劣る。
「あら。貴方たち、漸く動く気になったの。だけど、残念。大人のアンタならまだしも子供のアンタに負けてやるほど、甘くないわよ」
「でもここはひいてもらわないと困るんだ」
「はっ？！アンタ、一体どうやってここまで…！」
空駆ける宝具を足場に駆け抜けるサーヴァントが一騎。
それはかつて目にした漫画を参考にしての技…というべきか。無論、生身ではなし得ない芸当。
だが、それが今の彼女なら叶ってしまう。
「グラスホッパーもどき。落ちてもらうぞ、イシュタル」
「ちょ、ちょっとタンマ！」
「"木霊"――！」
沈み行く夕陽と共に、現れる刀身は光に照らされ輝く。
その一刀が彼女へと振り抜かれるその最中、僅かに感じられた違和感に空を切る。
目前の女神はまるでなにが起こっているのか理解できていないとでもいうような瞳でこちらを見据え、一瞬して変わる気配を肌で感じた樹はそのまま地へと落下すると思われた。
物理法則に則り、例外なく落下する樹。
だが、背に覚えた感覚は地とは異なるもの。恐る恐る、その背を見据えればそれは紛れもなく女神の
混乱するのも束の間、藤丸との問答の末、再び戦闘の火蓋は切られるわけだが。
「エレ…ちゃん…？」
「樹さん、大丈夫ですか？！お怪我は！」
「うん。大丈夫。ありがとう」
「全くみっともない奴だ。それで、どうするのだ。お前にあの者を傷つけることができるのか。あのままでは、地へと引きずり落とされるぞ」
「は？」
誘いに乗った女神に待ち受けていたのは、アナによる鎖のトラップ。
動きを封じられ、地へと落とされる女神に逃走の余地はなく。
気付いたときには、行動にでていたという表現が正しいか。
樹の前代未聞の行為に戸惑うアナ、そして藤丸とマシュ。
地を駆け、愛刀で鎖を両断すれば女神を抱きかかえ共倒れする樹。
擦過傷がなんとも痛々しいが、そんなところが"彼"らしいというべきか。
「どうして私を助けたの。貴方はあちら側のはず。どうして」
そう戸惑う女神を目にすれば、なにひとつ変わらないのだと笑みがこぼれる。
「理由なんてないよ」
笑う彼女の微笑みに重ねたのは誰だったろうか。
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湊(プロフ) - ねづさん» お返事が遅れてしまい申し訳ありません！コメントいただきありがとうございます。まだまだ序盤なので完結できるよう頑張らせていただきますね(｀・ω・´) (2020年7月30日 20時) (
レス) id: ab18fde111 (このIDを非表示/違反報告)
ねづ - 続編おめでとうございます！これからも応援してます！！頑張ってください！！！ (2020年5月11日 9時) (レス) id: 2a8953498e (このIDを非表示/違反報告)
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