69：天命の粘土板 ページ25
.
ひとまずは、大使館へと戻り旅支度をした一行がクタへと発ったのは翌日のこと。
ゆく道行きの話題は無論、壊れた賢王について。
それのみで長い道行きに飽きることがないほどの話題量であったわけだが、それはさておき。
クタ近傍にて、見つけた第1村人…もとい牧場主に声をかけてみればどうやら"ある女神"による被害が甚大らしくこの地形変動はそれ故だという。
クレーターかと思うほどの地形変動。
正しくは女神がブッ放っした大穴であるわけだが、それだけでは飽き足らず宝石類も奪われたとのこと。
｢相変わらずというかなんというか…さすがイシュタル｣
｢まあ彼奴ならやるだろうな｣
と、若干2名が溜息をつくも、合点が行っているのはどうやらこの2名だけらしく。
おろらく彼等が想像したのはあのブサ猫と女神の
｢いつもイシュタルがやらかして蛍が修繕する…この繰り返しだもんな。これが破壊と想像ほ繰り返されるってわけだな｣
｢言ってやるな。蛍のやつが憐れに思えてくるだろうが｣
だが、事実なのだから仕方ないのである。
それはさておき、女神の
それも終わりを告げ、いよいよクタへと足を踏み入れる一行。
到着してみると、その街並みはなんと物悲しい光景か。そこに人の気配はなく、あるのは崩れた建造物のみ。
言うなれば、不気味。という表現が正しいだろうか。
｢とりあえず、効率悪いし、皆で分担して探すか｣
「そうだね。早く見つけてウルクへ戻った方が良さそうだし」
「ですが、先輩をおひとりにするわけには」
「なら、俺が同行するよ。行こう、立香」
絶対にマーリンとギルとだけは組みたくないと全力で瞳で語る樹の凄味を前に、困ったような笑みを浮かべる立香。
だが、ここばかりは譲れないのだから仕方ない。
二人だけの道行き。
考えてみればこの組み合わせは初めてだと気付くまでにはそう時を要さず、意気投合するのも時間の問題だという時分。同じマスターとして抱えている悩みというのは似たり寄ったりなのか、樹にとっても立香にとっても良い出会いとなったのだろう。
会話が白熱すればするほど、裏側の世界へと足を踏み入れていることに彼等は気付かずその歩みを進めるのだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 19人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「オリジナル」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
湊(プロフ) - ねづさん» お返事が遅れてしまい申し訳ありません！コメントいただきありがとうございます。まだまだ序盤なので完結できるよう頑張らせていただきますね(｀・ω・´) (2020年7月30日 20時) (
レス) id: ab18fde111 (このIDを非表示/違反報告)
ねづ - 続編おめでとうございます！これからも応援してます！！頑張ってください！！！ (2020年5月11日 9時) (レス) id: 2a8953498e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
