60：思案するこれから。 ページ16
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この特異点の害となる記憶から徐々に消されているこの感覚。
それがこの力を手に入れた代償なのか。
喚ばれた理由がわかった今、あとは前進するのみだということは頭では理解できる。
それに、記憶が正しければ確かこの時代のギルは…。
「なんだ、不敬であろう」
「別になんでもねぇよ」
さすがに目の前で消えるとこは見たくない。当然だ。
それにはまずは味方となる戦力の補充が先決。
叶うのならば、"エルキドゥ"が仲間になってくれれば…と考えるもどこか胸につかえるものがあった。
あれは本当にエルキドゥだっただろうか。
無論、その答えをだすにはまだ決定打に欠ける。それも、目前の男に聞けば解決できる問題だろうが到底聞けるものでもない。
デリカシーというやつだ。
立ち居塞がる壁は強大で、これなら喚ばれたのも頷ける。
ならばきっといつまでも自分の正体を偽っている場合ではない。
自身の"橘樹"としての記憶が薄れている今、修正力はこちらがなにをしたところで働くのだろう。
だとすれば、黙ってる必要はない。
偽ってる今よりも、ずっと状況が変わるはずだから。
ならば帰って一応相談してからだ、とひとり決めれば光帯を眺める。
「あの光帯。聖杯の泥が出た時の穴に似てるよな」
頬杖をつき、ぽそりとこぼれた言葉。
エレシュキガルは元気にしているだろうか。
この時代の彼女はきっと知らない。彼女とはこの先で会う運命だから。
覚えていなくてもいい。
会えるだけで、もう一度、顔を見れるのなら。それだけで十分。
瞳を閉じれば、いつだって兄が思い出される。
なにをしてたかなんて知らない。けれど、もう一度会うために兄貴がその手段を模索していたこと。
それだけはわかっていたから。
それに彼女なら味方になってくれるはず。
大丈夫、希望はある。
不意にこぼした笑みは空へと溶け、吹き抜ける風は心地よい。
そんな穏やかな旅のひととき。
「ギルガメッシュ王、樹さん！到着しました！」
「うむ、ご苦労だったな」
「ありがとうな、マシュ。立香もな」
到着した観測所では突然の王の訪問に驚く者たちも多かったが、それ以上に祭司長以外の女性を連れてきたことにわくこととなる。
そんな当人らからすればこの感情をどう表現すればいいかわからない状況になり果てるわけだが、どうにか目標は達成できそうなそんな一行であった。
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湊(プロフ) - ねづさん» お返事が遅れてしまい申し訳ありません！コメントいただきありがとうございます。まだまだ序盤なので完結できるよう頑張らせていただきますね(｀・ω・´) (2020年7月30日 20時) (
レス) id: ab18fde111 (このIDを非表示/違反報告)
ねづ - 続編おめでとうございます！これからも応援してます！！頑張ってください！！！ (2020年5月11日 9時) (レス) id: 2a8953498e (このIDを非表示/違反報告)
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