56：新たなる仲間 ページ12
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「え、えっとそのあの。助けて頂いてありがとうございました！」
「なんと御礼を言ったら良いか」
「…ふむ。お前たちが樹の言っていた"藤丸"と"マシュ"か。なに興がのっただけだ。気にすることはない。この地を好き勝手されて面白くなかったのも確かだ。まあ久方ぶりに楽しめたわけだが、少々物足りぬな」
猫がそれは流暢に人語を会すわけだが、その姿にも慣れてきたのだろう。
微笑む二人を前に、じっとアイスブルーの瞳が見据える。おそらく推し測っているのだろう、その人となりを。
「ムーン。もうそろそろいいだろ」
「……まあ良いだろう。曲がりなりにもこの地を守ろうと動いた人間に悪い気もしない。我が名は"シン"。古代メソポタミア文明、ウルの地を司る都市神。月の神とも呼ばれているな。今はムーンと名乗っている」
「月の神…天を司る神様なのですね」
「イシュタルと同じだ」
と、顔を見合わせ確かにと納得する二人を前に口角を上げる、月の神。
「なんだ。あの"じゃじゃ馬"と顔見知りか」
「じゃ、じゃじゃ馬？」
「ムーンはイシュタルの父親にあたるんだ。ことは諸説あるけどな」
「あのイシュタルさんの？！確かに心なしか持たれている空気が似ているような」
「なんとなく納得できる気がする」
「あの馬鹿娘がいるのなら尚のことだ。協力しよう。だがあまり期待はするな。私の力は先程あの南米の女神にも述べたようウルを取り巻く近傍でしか発揮はできない大方ただの猫だ。努々忘れるな」
そんなさも当然のことのように語る猫を前に、心強いと視線を通わせる二人に飽きれ溜息をつく二人。その様子を傍観する二人という内訳となるわけだが、仲間が増えることに越したことはない。
ともなれば、暫くは共に行動を共にすることとなった一行。
樹の頭上を定位置に居座る新たな仲間と共に帰路につく彼等が目指すはジグラット。
道行きと共に情報を共有する彼等は、成果を手に歩みを進めるのだった。
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御拝読頂き有難うございます。
こちらで登場されますムーンちゃまの詳細はこちらに。
制作者の雪見大福さんにSpecial thanksです。
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湊(プロフ) - ねづさん» お返事が遅れてしまい申し訳ありません！コメントいただきありがとうございます。まだまだ序盤なので完結できるよう頑張らせていただきますね(｀・ω・´) (2020年7月30日 20時) (
レス) id: ab18fde111 (このIDを非表示/違反報告)
ねづ - 続編おめでとうございます！これからも応援してます！！頑張ってください！！！ (2020年5月11日 9時) (レス) id: 2a8953498e (このIDを非表示/違反報告)
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