【募集企画】あるマスターの日常 -第二幕-【派生作品】

□89話　視点:橘 樹 ページ40

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　先日の畳の御礼に、ルイスとアルトリアになにか"おやつ"でもと思ったのは他でもない。

俺の気のせいなのかもしれないけど、食事中のアルトリアってどこか幸せそうで背景に花が見えるときがあるというか…。


うん、気のせいなのかもしれないけど、どうせ俺が得意なことなんて料理くらいだしちょうどいいと、お礼は"たい焼き"を作ることに決めた。


１５時にとふたりと約束を交わし、あとはエミヤに手伝いをお願いする。これで段取りは完了したかと思えばルイスと意味ありげな笑みを交わすギルを視線に捉える。




なぁんか、怪しいんだよな。

朝も機嫌よかったし。部屋から追い出したようなもんなのに、機嫌が良いのはどう考えてもおかしい。


なんかいつもより、語尾あがってるし。


おかしい。




「んで、ギルはたい焼き食うのか？」

「ん？当たり前であろう、なぜこの我(オレ)がお預けをくらわねばならんのだ」



いや何故って、俺らが礼をする側だろうが。

と、つっこむのもなんだか疲れてしまって、思わず溜息をこぼせば「なんだ」と言われるので、


とりあえず放置でもしておくか。




「とはいっても、エミヤ。確かに２人分の…ああ、３人分のたい焼きって量は多いと思うけど、１人で２個食べれば十分なはずだし、１回で焼けるから俺だけで大丈夫だぞ？」


と、首を傾げれば、"なにを言っているんだ"という顔で見られる。



いや、なんか俺間違ったこといった？だって、これむしろ一回焼くので余るレベルだと思うんだけど。



「樹。君は勘違いをしている。これでは全然足りない…それに中身の味を変えてみると君は言ったな」

「え？うん…だって、どうせなら、あんこだけじゃつまんないと思うし…」



「それは味に飽きが来ない…ということだろう。ならば、なおのこと足りない。セイバーの胃袋はこんなものじゃない！！」



「へ？前にたい焼きでアルトリアとなにかあったのか？そんな声あらげて、エミヤらしくないっていうか…」



と、彼を見つめれば、しまったという顔をすると同時に咳払いをし「なんでもない」と残す。

そんなエミヤをにやにやと見つめるギルになんだか俺だけ蚊帳の外みたいで不満だ。



でもまあ、サーヴァント同士の話しに首をつっこむのこそ野暮だし、仕方ない。


でも、エミヤとアルトリアとたい焼き…全然関連性ないんだけどなぁ。




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