【募集企画】あるマスターの日常 -第二幕-【派生作品】

■88話　視点:ルイス・スタインフェルド ページ39

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　存分にノアくんと触れあってから、自室に戻りいただいたピアスを投影。

更に言えば保管用のガラスケースも投影してその中に椿さんから頂いた本物を丁寧に置き、部屋の一角に飾った。

「付けないのですか？」
「椿さんから折角いただいたのだからもちろんつけるよ、だが汚したり壊したりしたくないから投影でコピーを作ってそれを付けようと思ってね」

いつも付けている銀のリングピアスを外して投影分のものを付けて鏡を作り出す。

「よくお似合いですよマスター」
「ありがとう」

ゆるく笑みを浮かべていたのだが何かを感じたらしい、眉間に皺を寄せて部屋の一角にあるくあのぬいぐるみをまた睨んでいた。

「これが気になるのか？」
「…いえ、気になされないでください」

アルトリアがそういうが表情は険しい。

試しにくまのぬいぐるみを触ってみたがとくに何もなく、手から伝わる感触は質のいいもの、いわゆるもふもふである。

小首を傾げつつ、空いた時間のため妹のエリザベスと、リリーさんに手紙を書いて午前は時間を潰した。

お昼も素晴らしいMr.エミヤの料理を舌鼓しつつ、適度に他の方と会話をしながら食事を楽しんでとしていれば樹くんが俺に声を掛けてきた。

「ルイス、アルトリア、十五時ごろ時間もらってもいいか？」
「どうぞ、樹くんの頼みなら例え予定があってもあけるようにするから。アルトリアもいいか？」
「はい、問題ありません」
「じゃあ決まりだな。十五時に俺の部屋にきてくれ。この前のお礼をしたいんだ」

それだけ言って、彼は厨房へと入っていく。

残ったのはギルガメッシュ王のみで、俺にアイコンタクトを送ってくる。

大方件(くだん)の話のことだろう。

なのでにこりと笑えば笑みを深めて樹くんの後を追うように厨房へと入っていった。

「マスター、賢王と何か？」
「一昨日に浴場で偶然一緒になったんだ、その時に樹くんと椿さんの件を伺ってね」

訝しげに俺を見るのは苦手とする相手だからだろう、だがその話をしたことは事実である。

「他に、何かあったのでは？」
「あとは世間話だな。そういえば樹くんが毎晩剣術の練習をされているって聞いたよ。日本の剣術っていったらカタナっていう剣でフェイシング用の剣とはかなり形状が違うらしいね」
「剣、ですか？」
「あぁ」

クラスは違うとはいえエクスカリバーで有名な英霊なだけあり、なんとか話を逸らすことに成功した。

◇

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