□72話 視点:橘 樹 ページ23
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剣を振り、いつもの日課をこなせば落ち着くというのは真実のようで頭が冷静になる。
風呂に入るという気分にもなれず、シャワーを手短に済ませ手持ちのタオルで雫を取りながら、マイルームへと向かえば部屋の前で座る小さな影をみた。
あの影を俺は知ってる。
「椿、こんなとこでなにしてんだよ」
しゃがみ視線を合わせれば、はっと目を見開く。
これは言葉を必死に選んでるときの顔だ…こいつのことならお見通しだ。
伊達な付き合いじゃない。
黙って答えを待てば、おそるおそる視線を合わせ言葉を紡ぐ。
「ごめん…なさいっ。それだけ言いたくて。ここで待ってれば必ず会えるかなって思って、それでっ」
「馬鹿な奴。風邪ひいたらどうするんだよ」
羽織っていたパーカーを部屋着の上から着せてあげれば、頭に手を置くと小さく声をあげる椿。
「俺も言い過ぎたよ、ごめん」
「樹…よかった、仲直りできて」
「…お前、また泣いてんのかよ。本当泣き虫だな」
しょうがない奴、とフードをかぶせてあげれば頭をぽんぽんと撫でれば、がばっとフードを外し、
こちらを見る椿。
「別に泣いてないわ!!もう用も済んだし、部屋いく!!」
と、謎の啖呵を切った椿の手を握り制す。
まさかとは思うけど、一応確認だ。
「ストップ。お前さ、布団とかそういうの準備してんの?」
答えはNOだ、顔をみればわかる。
さっきの事情を聞けば容易に想像できる、本能のままこいつは
なら、準備が不十分なのは当然だ。
「ったく、しょうがないな。今日だけ泊めてやるよ。布団も二枚あるし」
「へっ、いいの?!」
「まあ、責任の一端が俺にないこともないしな。だけど、今日だけだからな?」
と、説明をすれば見るからに嬉しそうに笑う椿。
問題はギルの奴だな。説明するのも…絶対面倒くせぇ。
部屋へと入ればテーブルの上に書置きを見つけ、内容を読めば瞬間的に切り刻んでダストボックスシュートを決めた。
「あれ?王様いないんだね?」
「今日は霊体化するらしい」
「すごい勢いで切り刻んでたけどそれ王様からの手紙?」
「…はいはい、布団は自分で敷けよ?」
「話し逸らしたな!」
愛刀"木霊"を置き、布団を椿に押し付けなんとか話しを逸らす。
あいつ…ギルのやつ、明日覚えとけよ。
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玲乃音(プロフ) - アルトリアとエミヤとのたい焼き話しが凄く気になります!! 続き頑張って下さい (2019年11月7日 8時) (レス) id: c000802a3c (このIDを非表示/違反報告)
湊(プロフ) - 細波幸近さん» コメントありがとうございます。是非、妄想していただいて楽しんでいただければと思います! (2019年10月22日 12時) (レス) id: ab18fde111 (このIDを非表示/違反報告)
細波幸近(プロフ) - なかなか面白い展開ですね!ここでうちの子に見せたら面白そうとか妄想しちゃいますね (2019年10月22日 12時) (レス) id: a768fd0174 (このIDを非表示/違反報告)
湊(プロフ) - 玲乃音さん» コメントありがとうございます。ルイスくんだからこそ一緒に入るのが許されたのではないかと思います。更新頑張りますね。 (2019年10月19日 22時) (レス) id: ab18fde111 (このIDを非表示/違反報告)
玲乃音(プロフ) - ウワワ〜〜!!ルイスとギル様!! 二人のお風呂シーン!! 楽しそうだなぁ……ギル様と風呂仲間になりたいなぁ (2019年10月19日 20時) (レス) id: c000802a3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:翔べないペンギン/湊 | 作者ホームページ:なし。
作成日時:2019年10月9日 13時