■95話 視点:ルイス・スタインフェルド ページ46
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気が付けば酷くぼろぼろの部屋の中、瓦礫やら何かの破片やらが錯乱している中、樹くんと共に座っていた。
暖かいと思っていたコタツなるものも、畳も机も。
樹くんの部屋にあったもの全てのものが原型を留めていなかった。
「ふん。これに懲りたら二度と私に関わらないことだな」
瓦礫の山にそう吐き捨てたアルトリアに、どうやら止めきれなかったということを理解した。
「ッ樹くん!」
慌てて樹くんの方を見れば唖然としていたが見る限り怪我を負ってはいなかった。
安堵の息を吐いたと同時に、最早原型を留めていないドアが慌しげに開いた。
「なっ…」
「うわぁ…これはまたひどい…」
入ってきたのはMr.エミヤとカイルさん。
その後ろに何名かマスターとサーヴァントが見えたが、それよりも目の前で青筋を浮かべている赤い弓兵の存在を前にしてはどうでもよくなってしまう。
「ランサー、私の前な」
「ぶはっ! セイバーランサーめ、たかだか菓子一つで宝具を放つやつがあるか」
瓦礫の山から出てきたのはギルガメッシュ王であった。
どうやら間一髪でアルトリアの宝具を回避されたらしい、少し頬に汚れや細かい傷が見えた。
「ちっ、しぶとい奴め、今度こそ息の根を止めて」
「ランサー、賢王、私の前に直れ」
「邪魔をするなアーチャー、邪魔立てするなら貴様から」
「いいから直れ。夕飯抜きにされたいのか」
「……」
大人しくMr.エミヤの前でジャパニーズ正座をするアルトリアと、文句を言っていたギルガメッシュ王だがどうやらアルトリアに強制的に座らされていた。
そうして始まったのは説教である。
そろりと俺の方にきたカイルさんはMr.エミヤの説教を受けているアルトリアとギルガメッシュ王を見て若干引きつった顔をしつつ、何があったのかと尋ねてくる。
「実は…」
かくかくじかじかと、あったことを一部始終話し終えたら笑顔が引きつっていた。
「たい焼き一つでこの惨事…」
「はい」
「食べ物の恨みは恐ろしいってきくけど、ここまでなんて」
「申し訳有りませんカイルさん。俺が確り止めていればこのようなことには」
反論をするアルトリアとギルガメッシュ王の二人にMr.エミヤはばっさりと切った。
実はあの二人、本当は仲が良いのではないかと思ってしまうのだがそれはアルトリアには言わないのが吉だろう。
また宝具を発動されては今度こそこのカルデアを壊しかねないのだから。
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玲乃音(プロフ) - アルトリアとエミヤとのたい焼き話しが凄く気になります!! 続き頑張って下さい (2019年11月7日 8時) (レス) id: c000802a3c (このIDを非表示/違反報告)
湊(プロフ) - 細波幸近さん» コメントありがとうございます。是非、妄想していただいて楽しんでいただければと思います! (2019年10月22日 12時) (レス) id: ab18fde111 (このIDを非表示/違反報告)
細波幸近(プロフ) - なかなか面白い展開ですね!ここでうちの子に見せたら面白そうとか妄想しちゃいますね (2019年10月22日 12時) (レス) id: a768fd0174 (このIDを非表示/違反報告)
湊(プロフ) - 玲乃音さん» コメントありがとうございます。ルイスくんだからこそ一緒に入るのが許されたのではないかと思います。更新頑張りますね。 (2019年10月19日 22時) (レス) id: ab18fde111 (このIDを非表示/違反報告)
玲乃音(プロフ) - ウワワ〜〜!!ルイスとギル様!! 二人のお風呂シーン!! 楽しそうだなぁ……ギル様と風呂仲間になりたいなぁ (2019年10月19日 20時) (レス) id: c000802a3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:翔べないペンギン/湊 | 作者ホームページ:なし。
作成日時:2019年10月9日 13時