■86話 視点:ルイス・スタインフェルド ページ37
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おそらく今朝の様子から見るに無事に仲直りが出来たと俺は思っている。
明日にでも椿さんに確認してみるべきだろう。
だがそれよりも。
「アルトリア、すまない。そろそろ足の感覚がなくなってきたのだが終わってくれないだろうか」
「……わかりました、今日はこれぐらいにしましょう」
ようやく許可をもらえたので足を伸ばすがもう既に感覚はなく、足先からじわりとしびれるような感覚が足全体を襲ってきた。
だらしがなく、行儀が悪いとはわかっているが畳の上で唸ってしまうのは仕方がないだろう。
生まれたてのバンビのような状態でなんとか自分のベットまでもぐりこみ、夜も遅いのでそのまま就寝となった。
気力で上着だけ脱いだ俺は痛みともなんとも言えない、足から広がる嫌な感覚が早く収まることを祈りながら眠りに就くのである。
翌日、あの痺れのせいでなかなか寝付けなかったため、少々寝不足だが相変わらずいつも通りの起床時間に目が覚めた。
アルトリアはどうやらまだ眠っているらしい、疲れるようなことはなかったと思うのだが…。
「……」
ふと、昨日のギルガメッシュ王の提案の内容が過ぎる。
ーー
太古の王が満足できるものを用意することが可能かどうかといわれると正直微妙なところだ。
だが、望んでいるものはわかっているのであとは手段だけ。
流石に本人の許可なしの撮影はマナー違反である。
ならば許可をもらえばいいこと。
「アルトリア、朝だ」
彼女が眠る敷布団の傍らに膝を付き、声を掛ければその長い睫毛が震えた
ゆっくりと開かれた瞼から、美しい翡翠の目と目が合う。
「おはようアルトリア、今日は俺の方が早かったみたいだ」
「…おはようございますマスター。申し訳有りません、お手を煩わせました」
「気にしなくていい。疲れていたんだろう、仕方がない」
起き上がったアルトリアが再度謝罪を言うので、ならばと俺は言葉を紡ぐ。
「じゃあ時々でいいんだが一眼レフの被写体になってくれないか? いくら性能がよくても俺の腕が悪かったら綺麗に樹くんや椿さんやノアくんを写すことができないから」
「…盗撮は犯罪です」
「もちろん三人を撮る時には許可を取るさ」
ならば、ということでアルトリアからは撮影の許可をもらえた。
これで合法的に俺は写真を撮る機会を得たのである。
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玲乃音(プロフ) - アルトリアとエミヤとのたい焼き話しが凄く気になります!! 続き頑張って下さい (2019年11月7日 8時) (レス) id: c000802a3c (このIDを非表示/違反報告)
湊(プロフ) - 細波幸近さん» コメントありがとうございます。是非、妄想していただいて楽しんでいただければと思います! (2019年10月22日 12時) (レス) id: ab18fde111 (このIDを非表示/違反報告)
細波幸近(プロフ) - なかなか面白い展開ですね!ここでうちの子に見せたら面白そうとか妄想しちゃいますね (2019年10月22日 12時) (レス) id: a768fd0174 (このIDを非表示/違反報告)
湊(プロフ) - 玲乃音さん» コメントありがとうございます。ルイスくんだからこそ一緒に入るのが許されたのではないかと思います。更新頑張りますね。 (2019年10月19日 22時) (レス) id: ab18fde111 (このIDを非表示/違反報告)
玲乃音(プロフ) - ウワワ〜〜!!ルイスとギル様!! 二人のお風呂シーン!! 楽しそうだなぁ……ギル様と風呂仲間になりたいなぁ (2019年10月19日 20時) (レス) id: c000802a3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:翔べないペンギン/湊 | 作者ホームページ:なし。
作成日時:2019年10月9日 13時