00：たびのはじまり ページ4
.
人理継続保障機関、カルデア。
否、ここは独立人理継続保障機関"unknown"。
ちょっぴり陰キャ気味のゲーマーが所長を務めるこの機関は、カオスと言うべきか。
言わずもがな変わり者が揃いも揃っていた。
その中でも…ある種まともな部類に属するのがこの"橘樹"という少年――。
常識を兼ね備え、礼儀を持ち、おまけに人の世話を気づいたらやいているような男子高校生。
だが、そんな彼自身、変わっていない面がないといったら嘘になる。
彼には致命的な欠点があった。その問題は原点の問題といっても過言ではない。
魔術が苦手なのだ。
彼が使用できる魔術はごく一部、魔力量も一般レベル。知識に関してはほぼ皆無。
魔術師として評価するのならば、中の下…下手をすれば下の上といった存在かもしれない。
だがそんな彼が前代未聞を更に打ち重ねることとなっていく。
「ほう？貴様が
彼の前に立ちはだかる造形物のような美しさを持つ、紅の瞳を持つ英霊。
まるですべてを見透かすかのような瞳は、推し測るかのようにまっすぐと樹の瞳を捕らえる。
「………なるほど。まさかまじにこんなことになるなんて思ってなかったな」
だがその視線を諸共せず、ひとこと呟けば樹の声が英霊に届くことはない。
頭が整理できたのかひといき溜息をこぼし、目前の英霊へと視線を合わせれば全く恐れない樹の視線に「ほぅ」と少し関心を覚えたのか見る目が変わる瞬間があった。
「初めまして、俺は橘樹。お前が言った通り、俺は魔術師としては半人前だよ、迷惑もかけると思う。それは先に謝っとくごめん。けど、だからって戦えないわけじゃない。それとも、そこだけで俺を推し測るのか？」
「フハハハハ……なるほど、面白い。樹といったか？この
「ま、対等な立場だと思ってるからな。どっちが上とか下とか、この先長い間一緒にいる相手にそんなこと強制したくないだけ。もちろん、俺のこともマスターだなんて思わなくていいし…まじに半人前なのは本当だしな。だから、お前のことも特別扱いはしない」
"それにお前と言い合いするためにここにきたわけじゃないし、そうだろ？"
一点の曇りもない正面突破状態に言葉を失う英霊。だが。
「というわけで、よろしくな。"ギル"」
「…たわけ。馴れ馴れしいわ。」
信頼関係を築く問答として十分であった。
◆
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 17人がお気に入り
「オリジナル」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
湊(プロフ) - 眞尋さん» こんばんわ、はじめまして！応援ありがとうございます、とても嬉しいです(*´ω｀*)今後も、粉骨砕身尽くして更新させていただきますのでよろしくお願い致します！ (2020年2月2日 21時) (
レス) id: ab18fde111 (このIDを非表示/違反報告)
眞尋(プロフ) - むちゃおもろしろいです！！応援してます、頑張って下さい。お気に入り、高評価失礼します！！！ (2020年2月2日 18時) (レス) id: d2f316c579 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
