10：座布団 ページ15
視点:橘樹
なんとか台所に逃げ込むことに成功した俺な訳だが。想像以上だった。
なにがって、父さんのギルへの嫌悪感だよ。
普段、口数が少ない父さんがよく話すは話す。正直、俺自身、動揺が止まらないというか…2人にして大丈夫だったか、と今更思うわけだけど。
｢いい…よな？つか、ずっとあの板挟みあってなきゃいけない道理がないよな………いや早く作って戻ろう｣
下手したら、家が消し飛ぶ。母さんが介入した日には特にその確率があがる…それだけは避けないと。
｢結構、気に入ってるんだよな。この日本家屋。…それ以前に祖先に申し訳が立たないやつだこれ…｣
台所で1人たち、ため息とともにストレスを吐き出せば調理に集中し、冷蔵庫の中を確認する。
｢食べ物は兵器だからな、俺が胃袋を懐柔すればいいだけの話しだ…よし、それでいこう｣
固く誓いを立てれば手際よく、鍋に野菜を放っていく樹なのだった。
あとは煮込むだけとなった煮物を前に、釜だきしていたご飯の様子をみ、タイミングも良さそうだとほくそ笑む。
｢ていうか、母さん。アルコールも準備してたんだな｣
母さんの作る梅酒は絶品だと評判で、こうして客人がくるときは決まって準備されている。
料理が壊滅的な母さんがおいしい梅酒を作れる理由は…まぁ、母さんの魔術に所以するわけだけど、それも後々な。
それにしても、居間が気になる。
呑気にお茶してるなんて考えにくいし…
｢ちょっと様子見てくるか…｣
コンロを止め、エプロンを外せば居間へと向かう。近くなるほど、ああだこうだ話し声が聴こえるわけだがやはり予感通りだ。
腹の探り合いしてるよ…大の大人が…
｢ギル、大人しくしてたか？｣
｢樹、戻ったか。夕飯の支度とやらは終えたのか｣
｢まぁな。7時には夕飯にできるはず…つか、なんで畳に直座りしてんだよ。座布団は？｣
｢座布団…？｣
訝しげに首を傾げるギルを目にすれば、くすくすと笑う父さんにまたしても眉間の皺を寄せるギル。
父さん、ギルの反応見て遊んでないか？
｢そっ。ほら、これひいて座れよ。お尻痛くなかったのか？｣
｢……なんだその平たいのは。こんなのではひいていないものとさして変わらぬではないか。(時臣の屋敷でも綺礼の礼拝堂でも椅子に座ってきたばかりに日本も椅子の文化だと思っていたが…)｣
｢ギル？｣
なんかまた難しい顔してるけど、全くなに考えてんだか。
｢樹、1枚では足りぬわ。3枚だせ｣
｢は？｣
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湊(プロフ) - 眞尋さん» こんばんわ、はじめまして！応援ありがとうございます、とても嬉しいです(*´ω｀*)今後も、粉骨砕身尽くして更新させていただきますのでよろしくお願い致します！ (2020年2月2日 21時) (
レス) id: ab18fde111 (このIDを非表示/違反報告)
眞尋(プロフ) - むちゃおもろしろいです！！応援してます、頑張って下さい。お気に入り、高評価失礼します！！！ (2020年2月2日 18時) (レス) id: d2f316c579 (このIDを非表示/違反報告)
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