【短編集】お気楽主が今日も手強い【派生作品】 (ページ8)

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05：理不尽じゃないか？ページ8

視点：深山静稀

実のところをいうと、気分転換をした。仕事をサボッたわけじゃない、断じてない。あとからやろうと思ってたんです。

そう、ちょうど気乗りしなかったといいますか。

｢(なんて言える空気じゃないわな)｣

深山静稀、20歳。大学生兼ブラック本丸対策課所属。

2年目にして何度目かもわからないピンチを迎えてます。

｢静稀。反省の色が見えないけど。そんなに僕の話しが身にならないわけ…そう。｣

うちの近侍の好きな言葉NO.1、"首落ちて死ね"が発動されるまで秒読み段階に入ったか…？

まあでも考えても仕方ないし、もうなるようになるかー

なんて半ば開き直るような形になれば"何を、諦めてる。お前がなんとかしろ"とも言わんばかりのまんばちゃんの視線をいただく。

ちょっと、まんばちゃん、涙ちょちょぎれてない？そんなにやっさだ怖いか？まあ怖いか、笑顔で怒るタイプだしな。

｢やっさだ、落ち着こう？｣

｢へぇ。君が僕に物を言えた立場なのかな？先日の"あの件"、さっき政府の奴らに指摘されて揉み消してきたばっかなんだけど｣

｢あー、やっぱり勝手にはまずかったのかぁ。でも、やっさだが解決してくれたんだろ？ありがと｣

と、にこりと笑ってみせれば、なにか予想外だったのか一瞬固まるやっさだに首を傾げる。

｢やっさだ？｣

｢……ほんと、調子狂うよ｣

どこか怒りが収まったのか落ち着いた様子に胸を撫で下ろすまんばちゃん。

なんでやっさだの態度が変わったのかは僕にはわからないけど、とりあえずこれで正座タイムから解放されるなら万々歳だ。……だったはずなんだが。

｢山姥切。君も君だと思うよ。毎度言ってるけど、主を甘やかすのはやめてって言ってるよね｣

｢お、俺のせいなのか…？！それは話しがっ｣

｢山姥切｣

｢……俺が阻止しようと努力しても、いつの間に入り込んでるのは静稀なのだが？｣

珍しくやっさだに言葉を返すまんばちゃんは、きりっとしていてもどこか瞳が怯えている気がした。

頑張れ、まんばちゃん。と内心呑気に応援をすればなにかが通じたのか心底嫌そうな顔で僕を見る。

あれ、もしかして僕、嫌われてる…？

｢へぇ。なにそれ。それって、自慢？自分からは気持ちはないけど、それでも会いに来るほど静稀に好かれてるって…つまり、僕より山姥切を静稀が選んだって言いたいの？｣

｢うっうっ…もう勘弁してくれ！！！｣

この2人はいつ見ても仲良いな！