rain20 ページ22
一方、万理はというと――。
万理「自分でもいうのもなんだけど、相当末期だな」
碓氷のバイト先であるコーヒー店へと来ていた。笑
平日の夜のわりには、お店は不思議と空いており注文をすれば、
ランプの下で提供されるのを待つ。
万理「はぁ」
『幸せ逃げるぞ』
万理「?!、わっ、すみません!俺、ぼうっとしてたみたいで」
はっとすれば、カウンターにだされているラテが目に入る。
ソーサーに手を添えようとすれば、先程の声の主に先に持たれてしまい、「ん、」と
奥のカウンターへと導かれる。
この人は確か、この前の店長さんだよな?
なんて呑気に考えながらなされるがまま、むかう。
席へとつけば、店の作りからたまたま生まれた空間なのか、他のお客とは空間が分かたれているよう
感じた。
万理「…この柱のせいか」
『よくわかったな』
どこかご機嫌そうな彼に視線を移せば、いつの間にラテアートを書き始めていることに気づく。
万理「店長さんは、ラテアートもされるんですか?」
『店長さんはやめろ、
万理「叢雨さん…って、えぇ?!これって…というか、すごいクオリティだな。なにからつっこめばいいのか…」
だされたラテアートをみれば、描かれていたのは渦中の彼女の顔であり、
これがまた相当なクオリティなのである。
万理「お見通しってことですか」
翼「さーな」
目の前でカップをていねいに磨いていくその所作をなんとなく見つめれば、
なんとなく見惚れる。
どこか落ち着く空気があるその空間に飲まれれば、気づけばひとことずつこぼしていく。
万理「自分でもよくわからないんです。こんなにだれかのことを好きになったことなんてなくて」
万理「こんな年齢になって、10近くも歳の離れた女の子を好きになるだなんて」
頬杖をつけば、スプーンを手にとり、そこに映る自分と見つめ合えば、
はぁ、と一息つきカチャと元に戻す。
翼「そんなこといちいち気にするタマかよ。あの阿呆が」
万理「え?」
翼「迷うくらいならやめちまいな」
それだけ残せば奥へと消えていく。
あまりに唐突に答えをつきつけられるものだから呆気にとられている万理ではあったが、
はっと我に返るころにはそこに彼はおらず、
万理「やめちまいな、か。これは、Aちゃんを泣かせたら、大変だな」
なんて自身に呆れ笑えば、カップの中の彼女とまた目が合うのだった。
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ヒステリックちゃん - えまってどゆこと松雪って誰??夫婦?意味分かんないえ原作でももちゃん結婚してないよね誰松雪待ってほんとヒステリック起こしそうあり得ないまってももどーゆーことなんで結婚してんのさすがに夢小説すぎるって、だめでしょさすがにごめんなさい理解がおいつかない。 (9月27日 14時) (レス) @page19 id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
なつめみく - 神杉て死ぬ。ばんさんのしょうせつとか神でしかないよ、、 (9月27日 13時) (レス) id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
湊(プロフ) - アルさん» コメントありがとうございます!ご名答です、実は前作や前々作と繋がっていたりします(●´ω`●)気付いていただけてとてもうれしいです、ありがとうございます! (2018年5月4日 20時) (レス) id: 1cf7c1df21 (このIDを非表示/違反報告)
アル(プロフ) - 松雪さんってピアニストの彼女の夢主ちゃんですかね?いつも楽しく見ています!!これからも楽しみにしています!! (2018年5月4日 20時) (レス) id: efae94ae6b (このIDを非表示/違反報告)
湊(プロフ) - アリアさん» アリア様。はじめまして、コメントありがとうございます(´;ω;`) 引きました…もうひけどひけど、壮五くんしかでなくてですね、もう諦めました。笑 今回のは特にかっこよかったですよね…欲しかったですよね(;´・ω・)いえ!気軽にコメントいただければ幸いです! (2018年4月15日 19時) (レス) id: cf888fb209 (このIDを非表示/違反報告)
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