【あるカルデアの日常】あるマスターの日常【派生作品】 (ページ29)

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□28話　視点:橘樹ページ29

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なんて漫才を繰り広げていれば、ひょこっと厨房に顔をだしたのは所長だった。

「なんだか楽しそうな声が聞こえたから」
「あ、所長」

半ば、つかみ合いになっている俺たちをみれば、くすりと笑う。
本当に兄貴に似てる。

なんて思っていれば「そろそろ改めて乾杯するからいいかな」と微笑まれる。

「わかった！じゃ、エミヤも行こう。ずっとここにいるなんて勿体無いだろ？」

と、英霊二人の腕をひけば広間へと戻る。
席につけば、なにやらルイスとギルがアイコンタクトを取っているが、まあいつものことだろう。

つーか、ルイス(アイツ)まだ食ってねえし！！

ここまでくれば一周通り越して呆れてしまう。
そんな最中、乾杯は行われとにかく今日はみんなの顔を覚えることからだな、と頭を切り替えるのだった。

注がれた飲み物を持ち、軽く挨拶を交わして回る。

そんなときだ、所長からすごい一言が繰り出された。

「部屋に戻らせたいのはやまやまなんだけど…。その…。えっと…」

うん、なんとなく嫌な予感がする。

「悪いんだけど、みんな。心して聞いてくれないか。本当に申し訳ないと思っているんだ」

どうやら部屋がないらしく。

まあ仕方ないんだろうけど、今日はそれなりに遠出だったのもあって疲れてたし、
ショックはそれなりに大きかったっていうか。

でも、あのエミヤからの怒られようみたらもうなにも言えないよ、うん。

忙しくなる前までは、所長の仕事の手伝いしてあげたほうがいいのかな、と考えつつ、
所長室へと向かう。

「そういやギルはどうすんの？床とか寝れないだろ？」
「床で寝た日には過労死するわ！！」
「大げさだな、野宿とか絶対できねぇじゃん」

と、会話をすれば「たわけ！！誰が野宿などするか！！」と言い残し、霊体化していった。

「よし、これで安眠できる」

ひとり安心していれば、麟湖はもう寝てるし、すごい順応性だな、と思わず笑ってしまえば、
声をかけられる。

「カイルさん、樹くん。クッションか何か投影すべきだろうか？」
「あ、それいいね。エミヤー全員分のクッションを投影で用意してくれないかい」
「……」

エミヤの眉間の皺増えてないか？
とにかく、しっかりとお礼を伝えれば気にするな、という。

すごいな、うちのギルに爪の皮煎じて飲ませたいわ。

なんて考えていれば次はアルトリアが見張りを買ってでると。

まじで、見習ってほしいわ。