【あるカルデアの日常】あるマスターの日常【派生作品】 (ページ28)

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□27話　視点:橘樹ページ28

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ギルの小言を聞けば、はぁ、と溜息をこぼす。

素直に欲しいっていえばいいのに、ほんと面倒くさい性格してるよな、コイツ。

「おい、聞いてるのか？我(オレ)を蔑ろにしようなど百万年いやもっとだな」

なんて考えだしたコイツをみれば、だいぶ丸くなったんだろうなぁ、とか思ったり。

でもまあ、別に断る理由もないし材料も…まだまああっただろう。

「わかったわかった」
「わかればいい。ならば、我(オレ)が同行してやらんこともない」

「いや別にいいよ、おとなしくさえしててくれれば」

なんて言ってかえせば、またなんかいってるがもういつものことだ。

それより、ルイス(アイツ)食べたのかな。

と、アルトリアとなにやら話してる会話を聞いていればなんだか、耳を疑うようなワードが聞こえてくる。

「確かにそうだろう。だがこれはもう一種の芸術品だ。これを後世に残しておくべきだと俺は」

またわけのわかんことを。食い物なんだから食べなきゃ意味ないってのに。

「いや食べろよな！」

と、一言つっこんでおけば、いい加減ギルがうるさいので厨房へと向かった。

向かったのだが、

「おや、もう一枚焼きにきたのか？」

厨房の英霊…もといエミヤに声をかけられれば、ギルと目があったのか一瞬の沈黙。

なんだ、この空気は。

「そっ、こいつの我儘を聞くためにもう一枚焼きに来たんだよ」
「ほう、それは。…そうか」

「樹。無駄口を叩いてないでさっさと作れ。我(オレ)を待たせるな」
「作ってもらう立場でその態度ってどんだけだよ、傲慢王」

傲慢王と聞けば、あまりの遠慮のない言葉にフリーズするギルガメッシュ。
またその傍らで、その一部始終を見ていたエミヤはというと、そんな信じられない光景に思わず、笑ってしまうのだった。

まあそれはともかくだ、と同様の工程を踏んでパンケーキを焼いていれば、覗き込む英霊二人に思わず笑ってしまいながらも、先に声をあげたのはギルであった。

「おい、樹！！どういうつもりだ、これはあてつけか！！」
「は？なにが？」

なにを言ってるのかさっぱりだ。
どこに問題があるんだか。"エルキドゥ"の顔もハイクオリティに…ああ、エルキドゥ憧れるわぁ。

「なぜよりによって、コイツを書くのだ！！！」
「なんで？ギルの唯一のズッ友じゃん」
「貴様、我(オレ)のトラウマスイッチを遠慮なくいれおって！！」

なにいってんの、こいつ。意味不明なんだけど。