□46話 視点:橘 樹 ページ47
.
気のせいだと思いたい。俺の自意識過剰なんだって、そうだったらどんなに良いことか。
「レディがお呼びのようだが」
「エミヤ?俺に言ってる?まさかだろ」
ちらっとシャーロットさんを見れば、頬を杖をつきこちらに視線を送り…目が合えば微笑んで見せる。
「早く大人になりたいわ」
「切実だな」
と、肩に手を置かれてしまえば溜息をつく。
なんだか麟子はシャーロットさんと会話を弾ませてたみたいだけどさ、俺、初対面なんだわ。
初対面に"あの人"って、割とハードルが高いと思うのは俺だけ?
半ば諦め、シャーロットさんの対極に座れば「ようやく来てくれたか」と満足そうに微笑む。
うんそれはもう本当に満足そうに。
そんな俺たちをサンドウィッチを頬張りながら見ているマーリン。
なんだあいつ、お前なんてモフモフにやられてしまえばいい!!やっちまえ、モフモフ!!(ヤケクソ)
ひとつ溜息をつき、用件を聞こうと顔をあげようとすればいつの間に隣に座り直しているシャーロットさんに驚く。
「近いって!!」
「そうかぃ?だが、私はルイスのように簡単に君に触れたりなどしないから安心してくれ」
「いやそこになにか差でもあるのかよ!!」
お前ら同類だから!!
と、魂の叫びも虚しく、今日はもうこういう日なんだ、と割り切れば「にしても、」とまた凝視される。
この人に凝視されると緊張するんだよな。
「なんですか」
「いや、君に似ている者を以前、時計塔で見てね…」
首を傾げ、穴が開くほど見つめてくるシャーロットさん。
日本人がいるなら兄貴に教えたら喜ぶかも。
「俺に似てるって日本人ってことですよね。どんな人なんですか?」
普通に気になったのもある。自分に似ている時計塔の魔術師。
俺が時計塔に行く日は来ないだろうから、なおのこと、気になる。
「嗚呼、我が弟ノアの恩人でね。助けてくれたのだよ」
「へぇ」
なにやら話しを聞いていれば、どうやら弟の"ノアくん"が身代金目当ての人攫いに連れられそうになったところを助けてくれた、だとか。
だが、話しを聞けば聞くほどなぜか知る人物に繋がる感覚。
「それでそのときの彼の動きがまた鮮やかで軽やかなステップを踏んでいるようだったと言っていたな。剣士のようだったが柄しか持っていない奇妙な男がきた、とノアは思ったようだがな」
柄しかない剣なんて、この世に二つとしてあってたまるか。
きっとその男の正体は、兄貴だな。
20人がお気に入り
「オリジナル」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
新玲乃音元iqqvyuu(プロフ) - 翔べないペンギンさん» 見に行ってみます (2019年10月9日 20時) (レス) id: c000802a3c (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - 新玲乃音元iqqvyuuさん» uranai.nosv.org/u.php/hp/hyuuga075 御姉妹のイメージとしてはこちらとなります。 (2019年10月9日 20時) (レス) id: 1e7455f34a (このIDを非表示/違反報告)
新玲乃音元iqqvyuu(プロフ) - 翔べないペンギンさん» 無理なら、次女の容姿はどんなのか聞きたいです。 (2019年10月9日 20時) (レス) id: c000802a3c (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - 新玲乃音元iqqvyuuさん» お気遣いありがとうございます。いえいえ、そこまでしていただかなくてもよろしいですよ。なんとか自分で無から有を産み出せるように努力してみますので。ご提案ありがとうございました。 (2019年10月9日 20時) (レス) id: 1e7455f34a (このIDを非表示/違反報告)
新玲乃音元iqqvyuu(プロフ) - 翔べないペンギンさん» それなら、自分が書きましょうか?次女の容姿がわかれば書けますよ。 (2019年10月9日 15時) (レス) id: c000802a3c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:翔べないペンギン/湊 | 作者ホームページ:なし。
作成日時:2019年9月24日 22時