■44話 視点:ルイス・スタインフェルド ページ45
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優雅にアールグレイを飲んでいたシャーロットさんがカップを置くと俺を見据えた。
「ノアへ届け物だ」
「ノアくんへ? だが彼はここには」
「それは樹くんから聞いている。こちらの日程の確認不足だ。リリー、ルイスへ」
「はい、シャーロット姉様」
リリーさんから渡されたのはノアくんの
「ルイス様、どうかノアへこれをお渡しいただけませんか?」
「近々ノアがここへくるはずだ、必ず渡せよ」
お願いしてくるリリーさんと、対照的なシャーロットさんの二人の言葉に頷く。
そうか、ノアくんもここへくるのか。
脳裏で俺に威嚇してくる小動物のような少年を思い返して笑顔になる。
「はい、お任せください。必ずノアくんへお渡ししましょう」
「っ…」
両頬に両手を当てて赤くなるリリーさんにどうしたのかと問えばなんでもないとのこと。
リリーさんがそう言うのであればそうなのだろう。
「さて、目的も果たした。私達もお
「え…」
席を立ち、リリーさんに促すシャーロットさんは俺を見る。
なるほど。
「リリーさん、エントランスまでお送りいたしますよ」
明らかに落ち込み具合のリリーさんをエスコートして席を立つ。
一緒に立ち上がる樹くんと麟湖さんに一人で大丈夫だと手で制すがシャーロットさんが付いてきてくれるのかと二人の手を握っていて。
「アルトリア、あとはいいか?」
「…お任せください」
一瞬嫌そうな表情をしたアルトリアに苦笑い、彼女の後ろのなんとも表現しずらい状態になっている人達がいるからだろう、だがそれでも承諾してくれるのは騎士としてか。
アルトリアに見送られて衝動を後にする。
先を歩くのは樹くんにエスコートされる、いや樹くんと麟湖さんをエスコートしているシャーロットさん。
俺はその後に続くように落ち込むリリーさんをエスコートしながら歩いた。
「リリー」
「……」
到着したエントランスで更に落ち込むリリーさんに、シャーロットさんは俺を睨み上げてくるので苦笑い。
なので。
「リリーさん」
「!」
「大丈夫、また直ぐ会えますよ。だから今はこれで我慢して下さいね」
彼女の額に口付けて、そう言えば顔を真っ赤にさせて。
「え? リリーさん!?」
頭から湯気を出し目を回して倒れてしまった。
なんとか受け止めるとシャーロットさんは気絶したリリーさんを受け取り、そのまま帰っていってしまった。
◇
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新玲乃音元iqqvyuu(プロフ) - 翔べないペンギンさん» 見に行ってみます (2019年10月9日 20時) (レス) id: c000802a3c (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - 新玲乃音元iqqvyuuさん» uranai.nosv.org/u.php/hp/hyuuga075 御姉妹のイメージとしてはこちらとなります。 (2019年10月9日 20時) (レス) id: 1e7455f34a (このIDを非表示/違反報告)
新玲乃音元iqqvyuu(プロフ) - 翔べないペンギンさん» 無理なら、次女の容姿はどんなのか聞きたいです。 (2019年10月9日 20時) (レス) id: c000802a3c (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - 新玲乃音元iqqvyuuさん» お気遣いありがとうございます。いえいえ、そこまでしていただかなくてもよろしいですよ。なんとか自分で無から有を産み出せるように努力してみますので。ご提案ありがとうございました。 (2019年10月9日 20時) (レス) id: 1e7455f34a (このIDを非表示/違反報告)
新玲乃音元iqqvyuu(プロフ) - 翔べないペンギンさん» それなら、自分が書きましょうか?次女の容姿がわかれば書けますよ。 (2019年10月9日 15時) (レス) id: c000802a3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:翔べないペンギン/湊 | 作者ホームページ:なし。
作成日時:2019年9月24日 22時