小さかったはずの彼。

21センチメートル。 ページ22

ホンビンside



LE「ビナ、明日から一週間ゆっくりしてきな」

HB「え、？」

LE「家族とゆっくり、過ごしてきて
　 御家族今日待ってるんじゃないの？」

HB「…良いんですか？」


家族と離れて暮らしていて
色々と充実していたからなかなか実家に帰らなかった。


正直、家族の顔を見たいなとは思っていた。


LE「良いに決まってるだろ」


そう言い微笑んだヒョン。


…このヒョンには本当に敵わない。


LE「ビナの代わりにハギョナが働くから」

N「え、僕？」

HB「ヒョン、ありがとう」

N「え…」

HB「ヒョン、本当に大好き」

N「あ、うん…僕もだよ」


可愛い弟とテグナのためだ！と張り切りだしたヒョン

ありがたいな。



「ビナ、ほらご家族の所行ってきな！」

HB「え、今から？」

「せっかくの誕生日なんだから、ご家族の所行きなさい」

HB「良いの？」

「私達はもうこれでいいのー、プレゼント渡せたし！
　早く行け！」


そう言って俺の背中をポンッと押すA


皆を見ると、笑顔で行っておいでって言ってくれる。



あぁ、もう本当に
なんて良い人達なんだろう。



HB「ありがとうございます、行ってきますね！」




正直、本当に、祝ってもらえるなんて思っていなくて。



飾り付けられた店内
たくさんのプレゼントに
手作りのケーキ



こんなに盛大に祝われたのは初めて。



プレゼントを抱えながら、自宅への道を歩くと
後ろから僕を呼ぶ声が聞こえた


「ビナ！ホンビナ！」

HB「あ、A。どうしたの？」

「これ、」


渡されたものを見ると


HB「チェキカメラ…」

「ごめんね、本当は一眼レフとか、ギターとか買ってあげたかったんだけど…
　急いで買ったからさっき渡したのとこれしか買えなかったの」

HB「え、別に大丈夫なのに」


良かった、一眼レフとかギターじゃなくて。
Aの事だから無駄に高いの買いそうだもん…


「ビナの趣味、写真撮ることって聞いたから」

HB「うん、ありがとうAヌナ」


あぁ、Aヌナだなんて呼ぶのいつぶりだろう？

無意識に出ていた。


「え、ビナ今、ヌナって…」


ずっとAって呼んでいたから
今更ヌナ、なんて
ちょっと恥ずかしくなってきた。


HB「じゃあね！A！」


気を紛らわす様に、わざと大きな声で言った


「え、あ、じゃあね！」


ほっぺたを少し赤らめた姿が
一瞬だけ、Aが可愛く見えた。





とか言うとAは調子に乗るから
絶対に言わない。

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