キミノコエ

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あれから１週間が経とうとしてる。


連絡も何も無いから、もう諦めてはいる。





でもまぁ、嫌だったら完全無視していいって言ったの俺だし。


……あーー何言ってんだよ俺。









『 涼太 』



『 …はぁい？ 』



『 いや、ずっと一点見てたから。危ねぇなって思って笑 』



『 うーーーん。 』



『 ノーリアクションなの？相手 』



『 それなりにね 』



『 いや分からんわその反応 』



『 …嫌だったら無視していーよ、って言っちゃったから…… 』



『 涼太らしーやん。 俺は好きやで、そーゆうとこ。 』



『 龍友くん……

…って、嬉しくなーーーい！！ 』



『 いいからはよ食えや！！ 』









何かとボーッとしてる俺に行きつけのパン屋さんで見つけた俺そっくりらしいパンを買ってきてくれた龍友くん。



…クリームパンって……悪意あるよね？









『 龍友くんこれ悪意の塊だよ。 』



『 は？そっくりやん 』



『 どこがぁ！！ 』



『 無駄に甘いとこ。 』









しれっと答えた龍友くんに空いた口が塞がらない。


無駄に…甘い……？？



いや、よく甘い顔だとか声が甘いとか言われるけど…商売道具だよ…褒め言葉だよね…？


なんでそんな眉間にシワ…









『 えっと…？ 』



『 顔も声も反応も、自分にも 』



『 …自分にも、？ 』



『 例えば、今、とかな。 』









訳が分からなくて龍友くんを見つめると、無駄にある肺活量存分に活かして深ーーいため息をつく龍友くん。


眉間のシワをもっと深くして、あのな、と言葉を続ける。









『 連絡来ない、会えない、じゃなくて、会いに行けよ、会いたいんだろ？なら待ってねぇで自分で動け。 』



『 … 』



『 会いに行く覚悟ないならもう早く忘れて悩んでますみたいなその顔やめろ。今のお前はなんも悩んでねぇぞ？ 』



『 …… 』



『 明日、オフやで、涼太。 』



『 …龍友くん…… 』



『 だから早く食えって！！笑 』









そうだ、俺からまた行けばいい。


来ないものを待つよりこっちから向かっていった方がいいに決まってる。



ていうか、いつもそうしてきた筈じゃないか。








このあとの仕事が終わったら向かおう。


彼女のいた海に。









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