1. ページ1
.
間違いなく、あの日の俺はいつになく大胆だったと思う。
自分でも、そう思う。
熱い太陽が、少しだけ涼しい風が、運転の荒かったバスが、今ではすべてが愛おしく感じる。
.
『 ひっさしぶりやな〜〜 』
『 うーーーみーーーーー!!!!! 』
『 はっ!?誰今水かけたの! 』
『 隼しかいないじゃんそんなんやるの 』
『 あぁ!!亜嵐くんに売られた!!違うよ玲於俺じゃない!俺じゃないって!!!
ねぇぇぇええ聞いてるーーー!?!? 』
静かに響く波の音、少し涼しい風、キラキラ光るエメラルドグリーンの水面、白くてサラサラな砂浜。
そして変わらず騒がしいメンバーの声。
その全てが、心地いい。
……はずなのに。
『 きもちわる…… 』
『 だから寝ときって言うたやん戻るか? 』
『 やー、たのしいもん 』
『 子供かっ!笑 』
『 んー、あっち行ってくる 』
『 はいよー 』
見事にバス酔いした俺は思う存分楽しめずにいた。
日陰に座り込んでた俺の隣に、いつもみたいな薄い笑みを浮かべて腰をかける龍友くん。
もう少し風通しのいい所で休むことを伝えてその場を離れる。
歩いてると気持ちよさそうな岩場を見つけて、少し登ったところに腰を下ろす。
砂を踏みつけてた音がなくなって、波の音が若干小さくなったその時、聴こえてきた声。
『 …歌? 』
見る限り誰もいなかったはずなのに、聴こえてきた声に少しビビりながら岩場を下りる。
俺がいたその場所の、死角になっていた砂場に目を移すと、流木に座って髪をなびかせながら遠くを見つめているような、小さい背中を見つける。
あまりにも綺麗なその声に、俺は目が、耳が、心が、なにもかも奪われたような気がした。
.
204人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
くまのぷーさん - あ〜もう、本当に良かったです!やっぱりなーちゃむさんにリクエストして本当に良かったです!これからも頑張って下さい!応援してます! (2016年4月29日 20時) (レス) id: cf8db695fd (このIDを非表示/違反報告)
くまのぷーさん - なーちゃむさん» あ、今気がつきました笑 本当に嬉しいです!私のリクエストが長編にして下さって……………。光栄です!こちらこそありがとうございます!続き、楽しみにしてますね♪ (2016年4月15日 20時) (レス) id: cf8db695fd (このIDを非表示/違反報告)
なーちゃむ(プロフ) - くまのぷーさんさん» いつもありがとうございます(;_;) このお話の案、短編の時にリクエストしてくださったのを元にしてます、あっちでもお伝えしたのですがここでも一応、笑 これからもよろしくお願いします(>_<) (2016年4月15日 13時) (レス) id: 3a9aed4a40 (このIDを非表示/違反報告)
くまのぷーさん - 涼太くん、うまく言えないですけどいいですね!ナンパされたいです笑 続き、楽しみです!頑張って下さい(^ ^) (2016年4月14日 23時) (レス) id: cf8db695fd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:なーちゃむ | 作成日時:2016年4月14日 0時