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おかげでショート寸前の思考回路は、次の言葉を考える余裕なんてさらさら無くて、口をパクパクさせるだけだった。









「 ……あの、? 」



『 えっ、あっ、はい! 』



「 すみません、こんな時間に…大丈夫ですか? 」



『 う、ん!大丈夫!

あ、電話!ありがとう! 』



「 …片、寄さん、 」



『 は、はい、 』



「 …その、あ、会いたく、なっちゃいました…… 」









……もう、ダメだ。全部ダメ。もう無理。



そんなの…そんなこと……









『 今、どこにいる? 』



「 …東京、駅 」



『 そこ、動かないで。行くから。10分、待てる? 』



「 待、てます… 」



『 うん、動いちゃダメだよ。 』



「 …あっ、あの、電話、繋げててください… 」



『 ……うん、分かった、 』









すぐに荷物をまとめて、スタジオを出る。


タクシーを拾って行き先を伝えると、握っていた携帯に耳を当てる。



聞こえてくるのはこんな時間なのに止まない足音と、東京の街の音。









『 Aちゃん、 』



「 ……っ、あ、はいっ! 」



『 大丈夫?怖くない? 』



「 …うん、大丈夫。 」



『 もうすぐ着くよ 』



「 ……うん、 」









心做しか少しだけ不安そうな声。


この時間に女の子ひとりで東京駅だなんて、相当勇気がいる。


その声が、余計俺を焦らせる。









『 運転手さん、早くっ、 』









ミラー越しにニヤッと笑って任せとけとでも言いたそうに右眉を上げてグン、とスピードを上げてくれる運転手さん。



そのおかげで思ったよりも早く着いて、もういいやと投げやりにお釣りが余るくらい代金を払ってタクシーを降りる。









『 兄ちゃん!お釣り! 』



『 少しだけ違反してくれたお礼です!ありがとうございました!! 』









早く、会いたい。









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くまのぷーさん - あ〜もう、本当に良かったです!やっぱりなーちゃむさんにリクエストして本当に良かったです!これからも頑張って下さい!応援してます! (2016年4月29日 20時) (レス) id: cf8db695fd (このIDを非表示/違反報告)
くまのぷーさん - なーちゃむさん» あ、今気がつきました笑 本当に嬉しいです!私のリクエストが長編にして下さって……………。光栄です!こちらこそありがとうございます!続き、楽しみにしてますね♪ (2016年4月15日 20時) (レス) id: cf8db695fd (このIDを非表示/違反報告)
なーちゃむ(プロフ) - くまのぷーさんさん» いつもありがとうございます(;_;) このお話の案、短編の時にリクエストしてくださったのを元にしてます、あっちでもお伝えしたのですがここでも一応、笑 これからもよろしくお願いします(>_<) (2016年4月15日 13時) (レス) id: 3a9aed4a40 (このIDを非表示/違反報告)
くまのぷーさん - 涼太くん、うまく言えないですけどいいですね!ナンパされたいです笑 続き、楽しみです!頑張って下さい(^ ^) (2016年4月14日 23時) (レス) id: cf8db695fd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なーちゃむ | 作成日時:2016年4月14日 0時

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