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『 ごめんね、これ、嫌だった？ 』
扉を閉めて、申し訳なさそうに笑う片寄くんの右手には、私が持ってるべきである小さな紙袋。
やるせなく笑う片寄くんを見ると、泣きそうになっちゃって。
咄嗟にピアノの鍵盤に目を移す。
「 私、片寄くんのこと、嫌いです 」
『 …うん 』
「 いつも女の子と、楽しそうに、笑ってて… 」
『 うん 』
「 わ、私のこと勝手に姫、とか呼んできて、」
『 うん、』
「 …昨日、だって、ピアノの音怖かったし、」
『 うん、ごめんね 』
「 お菓子も、嬉しかったのに 」
『 うん 』
「 …お礼言おうと思ったのに…また女の子と、話して、て 」
『 うん 』
途切れ途切れにしか出ない言葉を、うんうん、って何も文句言わずに聞いてくれてる。
「 私、片寄くんのせいで、変に、なっちゃったんです… 」
『 うん 』
「 苦手なはずなのに…ずっと目で追ってて…それで… 」
『 乃々華ちゃん。』
…ずるい。
こんな時に名前で呼ぶなんて。
『 好き、なんじゃない？俺のこと。』
「 …っ、 」
『 俺ね、一目惚れしたの、名前も知らない子に。名前知らないから、気を引くにも引けなかった。』
ゆっくり近づいて、私の座る椅子の前にしゃがむ片寄くん。
『 その子はね、お姫様みたいで、なのにお高くとまってない、って言うか、飾ってなくて。
いつも可愛い笑顔で友達と話してて、その子がホントはどんな子で、どんな話してるかなんて分かんないのに、なんか俺まで嬉しくなっちゃって。』
『 ピアノの音で驚いたり、嫌だって言ってるのに姫、って呼ぶと反応してくれたり、文字は綺麗なのに絵が少し下手くそで、だけど何事も諦めないで頑張って。
そんな姿見てたら、好きになっちゃった。
変だよね、全然話したこともなかったのに。』
『 正直、乃々華ちゃんに嫌われてもいいって思ってた。そう思わせちゃう理由があるならそれは絶対俺のせいだし。』
『 …俺のこと、嫌い？ 』
膝の上でギュって握られた私の手に、自分の手を重ねて私の顔をのぞき込む片寄くん。
“素直にね。”
…素直に。
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なーちゃむ(プロフ) - はまはまさん» はじめまして、はまはまさん！ 素敵な日にとっても素敵なコメントありがとうございます（ ; ; ） また、読みに来てあげてください( ^_^)！！ (2018年2月15日 12時) (
レス) id: 3a9aed4a40 (このIDを非表示/違反報告)
はまはま(プロフ) - なーちゃむさん初めまして！HappyValentineです！毎年バレンタインの日はこのお話を読みに来ています！ことしも幸せな気持ちで1日が始められそうです！ (2018年2月14日 3時) (レス) id: f7d78aeb4d (このIDを非表示/違反報告)
かーこ(プロフ) - 亜嵐くん最高です！！！！！ (2016年5月8日 0時) (レス) id: ccbb1a556a (このIDを非表示/違反報告)
かーこ(プロフ) - 初コメです！めっちゃキュンキュンしました！！！！！この小説凄い好きです！！！！！ (2016年5月8日 0時) (レス) id: ccbb1a556a (このIDを非表示/違反報告)
もこ - なーちゃむさん» 涼太もののちゃんも可愛くてきゅんきゅんしました!!次のお話も楽しみです!!更新待ってます!! (2016年2月20日 22時) (レス) id: 046521ccc3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なーちゃむ
| 作成日時：2016年2月13日 0時
