オトメの恋手帳

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「 ワンコみたいだねぇ 」


隼『 え？ 』


「 色々嗅ぎ回って、やっと見つけてそんな嬉しそうにして 」


隼『 それ褒めてます？ 』


「 ハヤトくん、なんだか可愛いからいい事教えてあげる 」





うふふ、って笑った先輩は、得意げな顔をした
今日１日で、いろんな先輩をたくさん見た気がする





「 私、佐々木Aって名前です、覚えてね 」


隼『 ……え、知ってます、ていうかさっき知ったばっかです… 』


「 あはははっ、ごめんごめん、なんか聞きたいことある？ 」


隼『 なんでもいいんですか？ 』


「 うん、今だけね 」


隼『 何色が、いちばん好きなんですか…、 』


「 …………そ、そんなことが聞きたかったの？ 」


隼『 や、なんか何聞いていいか分かんなくて 』


「 うふふ、好きな色かぁ…どんな色でも好きよ 」





なんでも聞いて、と言ったくせに、何となくはぐらかされる





「 ハヤトくんは、何色が好き？ 」


隼『 青…ですかね 』


「 うん、ぽいね、青っぽい 」


隼『 なんすかそれ、 』





面白い、先輩はほんとうに。

見てて飽きないし、ずっと見ていたくなる






虹を見ていた時、泣きそうな顔をしていたのは何故だろう。


泣きそうだから空を見上げていたのか
空を見上げたから泣きそうだったのか

あの時噛み締めていた唇、何を、誰を、いつを思って噛み締めていたんだろう。




そんなこと、聞ける訳もなくて、先輩の独断で始まって終わった質問タイムは、ほんとうに聞きたいことは何も聞けずに終わった









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