. ページ35
.
帰宅部の俺からしてみたら
部室なんて憧れだし、部活で知り合う先輩は特別だし
いや、まぁ面倒臭いからって部活入らなかったのは俺なんだけど
『 佐々木先輩!ここって何色ですかね? 』
「 …緑……かな?うん、でもサヤちゃんが好きな色でいいと思うよ、サヤちゃんはいつも綺麗に塗るから、大丈夫 」
『 えへへ、ありがとうございます! 』
躊躇って開けられなかった扉の向こう、玲於から聞いた名前はほんとにそれで、その名前を呼ぶ声はどこか上の空で、敬意のこもった声だった
『 …えっと、誰かに用ですかね? 』
隼『 あ、佐々木…? 』
『 佐々木?A? 』
隼『 います? 』
『 ちょっと待ってね、Aー!お客さん! 』
急に開いた扉、開けたのはカラフルなパレットを持った青い上履きのお姉さん
尋ね人の名前、言わなくても教えてくれて、信用されてない俺は余計に信用を無くす
「 ハヤトくん、? 」
隼『 どうも、すみません、通りかかったら先輩が見えて 』
「 偶然? 」
隼『 …いや、 』
「 素直でよろしい 」
青い上履きのお姉さんに、ちょっとサボってくるねって悪戯に笑って、ついでにパレットの中、カラフルな絵の具を見て親指を立てた先輩
隼『 いいんすか? 』
「 うん、大丈夫 」
「 …そんなことより、私の個人情報、盗んだよね 」
隼『 言い方に語弊があります、たまたま聞いただけです 』
「 なんで私が美術部だって知ってたの? 」
隼『 クラスの奴が、美術部で 』
「 私のこと、探ってたんだ? 」
隼『 …だって何も教えてくれないから、 』
ふたりで並んで歩く廊下
いつも歩いてるのに全く違うとこに感じて、浮き足立ってる自分が恥ずかしい
.
335人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みもざ(プロフ) - あああ!久しぶりに更新ありがとうございます!!玲於くんファンなので最後の甘々がたまらなかったです( i _ i )次のお話も楽しみにしてます! (2018年1月5日 23時) (レス) id: b57c603971 (このIDを非表示/違反報告)
あお(プロフ) - とっても面白いです!!言葉の使い方や表現の仕方がほんとに上手くて、引き込まれちゃいます!!更新楽しみに待ってます(^◇^) (2017年12月25日 16時) (レス) id: b002be3119 (このIDを非表示/違反報告)
だーす(プロフ) - 書き方とかすごい上手くて!面白いです!楽しみにしてます (2017年7月17日 20時) (レス) id: 0274778554 (このIDを非表示/違反報告)
聖也(プロフ) - びっくりするぐらい、呆気なく終わりましたね…。そこがまたリアルというか。辛いですね汗 (2017年6月15日 12時) (レス) id: 34ecd099f6 (このIDを非表示/違反報告)
ぴあの(プロフ) - 物凄く面白いです! (2017年5月30日 1時) (レス) id: cdd0f1fc74 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:なーちゃむ | 作成日時:2017年5月8日 22時