36. side Ryuto ページ36
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あの夜、曲がり角に置いたはずの決意は未練がましくピタリと背後に張り付いていた。
サキが仕事を辞めてから、すっかり頭の中はAのことでいっぱいだったはずだった。
___ ピンポーン
龍『 …はい、』
陽が沈んで、星が空に浮かぶ頃、ここ1年で珍しくなった来客を知らせるチャイムが響く。
インターホンを確認すると、そこに映るのは玄関の目の前の壁。
イタズラ?こんな時間に?
不審に思って玄関を開けると、ゆらっと人影が揺れた。
サキ『 わっ! 』
龍『 ……お前、』
サ『 久しぶり〜 』
大きなキャリーバッグを引いたサキが、ぴょこっと現れた
なんも悪びれる様子なく屈託のない笑顔でヒラヒラと手を振るサキに、若干目力を強めると口角を引きつらせる。
サ『 かくまって 』
龍『 …は? 』
サ『 お願い!2ヶ月くらい!! 』
龍『 なんで 』
サ『 パパと喧嘩して… 』
龍『 …知らんわ 』
サ『 ねぇお願い! 他に行くところないの、』
サキの両親は、かなり厳しいって有名で、ずっと『両親を見返す』ってプライドぶっつけで今まで突っ走ってきたらしい。
そんな親と喧嘩したなんて
そりゃ家を出たくなるわけもわかる。
龍『 … 』
サ『 …お願い、します 』
いくらサキだとしても、ずっとあんな関係だったとしても、こんな顔されてこんな声でお願いされたら、良心ばかりが動いてしまう。
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菜緒子(プロフ) - いきなりスミマセンf^^*) Snow Whiteホントに大好きです!!!何回も何回も読み返してます!!また龍友メインのお話を書いてくれませんか?たのしみにしてます!! (2017年6月14日 1時) (レス) id: 903269e808 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - はじめまして(*^^*)このお話大好きです!!私、龍友ファンなので龍友メインのお話でテンションアガってます(≧∇≦)これからも更新頑張ってくださいo(`ω´ )o楽しみにしてます♪( ´▽`) (2016年11月23日 14時) (レス) id: 10446014c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なーちゃむ | 作成日時:2016年11月21日 19時