33 ページ33
.
サキさんと付き合ってないって、彼女なんていないって言った……?
「 でも、龍友の鍵、サキさん家のじゃ…… 」
龍『 鍵? 』
「 ほら!これなに? 」
腰から外してポッケに突っ込んでた鍵を取り出して、指にぶら下げる龍友。
シルバーのキーチェーンからぶら下がるふたつの鍵。
龍『 これ俺ん家のと実家の 』
「 じっ、か… 」
龍『 なんつーか、お守り的なあれ? 』
「 …はぁ、」
勘違い。
この2年間ずーっと龍友に彼女がいると思い込んで馬鹿みたいに自分の首締めてた。
でもだって、龍友の部屋は女の匂いするし、鍵だってふたつついてたらそりゃそう思うし、彼女いないなんて初耳にも程がある。
…女の、匂い
龍『 でも、ごめん違うんだよ 』
「 …匂い 」
龍『 ……え? 』
「 龍友の部屋、違う香水の匂いする 」
龍『 ……サキとは、付き合ってないけど関係はあった。』
「 …… 」
龍『 Aが敬浩さんと別れるってなってた時期に、サキが仕事辞めるってなって 』
「 うん 」
龍『 あいつ、俺のこと好きやったみたいで、その、なんていうか凄い迫ってきて
……送別会したやん、サキの 』
「 うん 」
龍『 送別会の後、あいつ酔ってて、方向一緒やからって俺送ることになって、』
「 もういい…… 」
龍『 よくない、聞いて 』
「 聞きたくない!! 」
龍『 A、お願い聞いて 』
視界がどんどんぼやけて、頬に雫が流れる度に目の前の龍友が揺れる。
こんな時は次の撮影の衣装のことを考えて、あのジャケットにはこのシャツがいいとか、あのシルバーリングはあの人の指には似合わないかなとか、そんなことで頭をいっぱいにして、それだけを考えたい。
それなのに…雫に揺れる龍友は、こんな私に呆れることもなく涙を拭おうとしてくれる。
「 ……ずるいよ、こんなの 」
なんでこんな時にまで、こんなにも愛しいと思えるの
その手に今すぐ重ねたい
それでも貴方が好きって抱き締めたい
それで、俺も好きって笑って抱き締めてほしい
期待してた片想いが、少しずつ熱を帯びる。
.
683人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
菜緒子(プロフ) - いきなりスミマセンf^^*) Snow Whiteホントに大好きです!!!何回も何回も読み返してます!!また龍友メインのお話を書いてくれませんか?たのしみにしてます!! (2017年6月14日 1時) (レス) id: 903269e808 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - はじめまして(*^^*)このお話大好きです!!私、龍友ファンなので龍友メインのお話でテンションアガってます(≧∇≦)これからも更新頑張ってくださいo(`ω´ )o楽しみにしてます♪( ´▽`) (2016年11月23日 14時) (レス) id: 10446014c5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:なーちゃむ | 作成日時:2016年11月21日 19時