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涼『 Aさん、ごめんね、この前 』
「 ん? 」
涼『 キス、勝手にしちゃって 』
「 …あ、」
涼『 気持ち悪かったでしょ、ごめんね 』
許可なく女の人に迫るなんて最低だよねー、なんて笑ってお肉を詰め込む涼太くんのまつ毛が少し震えてる気がした。
「 気持ち悪くなかった、謝らないでよ 」
涼『 …そっかぁ、Aさんはそうだねぇ、』
「 え? 」
涼『 Aさんは優しすぎるんだよ、だから龍友くんのこと嫌いになれないんじゃないの?
龍友のちゃんとしたところも知ってるから、心の奥底ではずっと大好きなんだよ 』
「 …優しかったら家追い出したりなんてしないよ 」
涼『 そういう優しさもあるんじゃない?
Aさんは龍友くんの顔見たくないって思って追い出したのかもしれないけど、いい距離に戻れたのはAさんが龍友くんを追い出したからでしょ?
龍友くん、結構落ち込んでたけど 笑 』
涼『 自分のことばっか考えてるようで、実際の行動はお互いがお互い思ってないとできない事だと思うけどなぁ。』
ジンジャーハイを、一口飲み込んでうんうん、と頷く涼太くん。
……優しいのはどっちよ、
龍友を嫌いになれないことも、いい距離だと感じてることもぜーんぶお見通し。
龍友が話したのかもしれないけど、涼太くんの優しさには救われてばっかり。
「 涼太くん、私すごい勿体ないことしてる 」
涼『 ん?カルビ嫌いだったっけ? 』
「 ううん、違うよ
絶対涼太くんと一緒になった方が幸せなのに……
なんでこんなに龍友が頭から離れないんだろう、」
涼『 …んふふ、勿体ないね? 』
「 ごめん、涼太くん、私やっぱり涼太くんのこと、そういう風に思えない 」
涼『 ……うん、分かった。
ありがとうね、本気で考えてくれて 』
「 …ごめん、」
涼『 ……大丈夫、ちょっと辛すぎただけ、』
瞳を潤ませる涼太くんに手を伸ばそうとすると、触れる前に手首が捕まって、首を横に振られた。
コチュジャンを入れすぎた赤いタレを見てやる気なく笑う涼太くんは、儚くて、すぐに消えてしまいそうだった。
誰かのために、涙を隠して嗤う涼太くんに、何を言ったらいいのかわからなかった。
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菜緒子(プロフ) - いきなりスミマセンf^^*) Snow Whiteホントに大好きです!!!何回も何回も読み返してます!!また龍友メインのお話を書いてくれませんか?たのしみにしてます!! (2017年6月14日 1時) (レス) id: 903269e808 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - はじめまして(*^^*)このお話大好きです!!私、龍友ファンなので龍友メインのお話でテンションアガってます(≧∇≦)これからも更新頑張ってくださいo(`ω´ )o楽しみにしてます♪( ´▽`) (2016年11月23日 14時) (レス) id: 10446014c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なーちゃむ | 作成日時:2016年11月21日 19時