Snow White

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『 白石さーん！ 最終打合せお願いしまーす！ 』


「 はい！ 今行きます 」


亜『 よろしくね 』


「 うん、紺野もおいで 」


咲『 はい！ 』






スタッフさんに呼ばれて、メンバーの元を離れようとスタジオの出口に向かうと、背中に視線を感じる。

クルッと振り向けば、こちらを見てるのは龍友だけだった。


表面は、そんな龍友を不思議そうに見つめ返す私だけど
心の中はとろけそうなほど熱を帯びる。






龍『 どした 』


「 …こっちのセリフよ 」


龍『 や、髪飾り、キラキラしてるから気になって 』


「 え？ あ、ごめん反射眩しかった？ 」


龍『 ううん、似合ってる 』


「 ふふ、ありがと 」





フッ、と口元だけ笑って絡んでた視線を解く龍友。

少しの名残惜しさを残して紺野を追い掛けると、いつにも増してニヤニヤが止まらないこの子。





咲『 Aさん、恋する乙女の顔してますよ 』


「 …紺野こそ玲於とどうなのよ 」


咲『 だから、私と佐野さんは何にもないんですって 』


「 どうだか 」


咲『 もー！またそうやって話逸らすー！ 』


「 はいはい、仕事仕事 」





紺野には、私が龍友を好きなことを速攻見破られた。

“関係” まではバレてないし、もうそういうことにしてかなりの確率でスルーする。


こういう話は、苦しくなるから嫌い。

自分が馬鹿馬鹿しく思えてくるから。









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