03.午後7時、静まり返った教室で ページ3
｢あ！ごめん！忘れもんした！｣
莉菜との帰り道、自分の鞄を見てみると明日提出の課題が入っていないことに気づいた。
学校まで戻るのはかったるいけど、唯一の得意教科だからと電車に乗って戻った。
｢こっわ、｣
あんなに昼間はザワザワと騒がしくて、明るすぎだって文句を言いたくなるほど明るい場所が
太陽が沈めば雰囲気が180°変わったかのように暗くて冷たい場所に変わる。
｢あった、｣
机の中から課題を見つけて、鞄の中に仕舞う。
すぐ帰ろうと踵を返そうとした途端。
・
・
｢うぉ！ビクッたあ！｣
｢…っ！｣
・
・
暗闇の中で誰かが大きな声を出した。私の心臓が金魚のように飛び跳ねた気がする。
不気味なリズムで刻む心臓。
｢…眩し、｣
｢…なんで電気つけへんの？｣
｢…は、や、…え、｣
驚きで声が出ない私の目の前に、何か面白いものを発見したかのような笑顔のはやしんくん。
今度は不気味なリズムじゃなくて、走った後のような早いリズムに変わった。
｢忘れもん？｣
｢…うん、英語のワーク、｣
｢ほんまに？！俺もおなじ！｣
私が何度も画面越しに見た笑顔を、
私が何度も自分の席から隠れるようにして見てた笑顔を、
今私の目の前で見せてくれてる。
｢…大丈夫か？｣
｢…うん、平気｣
｢ならいいんやけど｣
幸せで溢れそうになった涙に気づいたはやしんくんは、そっと一歩近寄って落ち着かせようとしてくれた。
それが逆効果で、またより一層幸せを感じて泣きたくなった。
｢立花さん、泣きそうな顔しとるやん｣
泣かんといてって覗き込むようにして笑ったはやしんくんが、
また｢立花さん｣と私の苗字を音にした。
また涙が、ぶわぁと溢れてくる。
*
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みー - こんにちは！ はじめまして とっても面白いです！続きめっちゃ気になります！頑張ってください！ (2017年11月27日 6時) (
レス) id: 16d5d8deee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めいと | 作成日時：2017年11月19日 23時
