短編、！2（26期） (ページ45)

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年末に向け仕事に追われる日々
今はその環境がとても有り難かった
　

仕事も大詰めになってきたある日

「、、さん！Aさん！」

「あ、ごめん。なんだっけ？」

「こことここの順番変えたほうがいいかと」

「そうね、一度変えてリハしてみようか」

ｶﾞｺﾝ

「Aさん、これどうぞ」

後輩のユウキくんがコーヒーを差し出す

「ごめん、いただくね」

「最近なんか上の空っすよね」

「ごめんね」

「それです。謝るのやめてください」

「､､､」

「どんだけ俺が見てきてると思ってんすか」

鈍感な私でも彼から好意を向けられていることは
言葉の端々からも気付いている

「Aさんがこんな状態なのに
　俺は力になることも出来ないんですか？」

「ううん、いつも助かってるよ」

「そうやって強がらないでくださいよ
　俺の前だけでもいいんで弱音吐いてください」

ユウキくんは飲んでいたコーラを一気飲みして
私の前に立った

「とりあえず今日は帰ってください
　言うこと聞かないとここでキスしますよ」

「こら！先輩揶揄うんじゃないの」

「そう言って本気に考えないところ
　俺が唯一嫌いなところです」

それじゃ、とユウキくんは戻って行った

「はぁー、なにやってんだろ私」

今日は特に体調が良くなかったから
お言葉に甘えて家に帰ることにした

家でゆっくりしていると
スマホが鳴った

「もしもし、お疲れ様です」

［お疲れ。仕事終わり？］

「いえ、今日は早めに終わったんです」

電話の相手は盛山さん

［そうなん？で今からなんやけど、、］

「ごめんなさい、今日は」

［そうなん？リリーもおるで？］

「ごめんなさい、、」

ガチャガチャと音がする

［もしもし、Aか？］

電話口が変わった
この声は濱家さん

［お前今すぐ来い！］

「今日はちょっと、、」

［お前いつまでウジウジしてんねん
　とりあえず来いよ、わかったか！］

ﾌﾞﾁｯ

「濱家さんかなり酔ってたなぁ」

なんだか気が進まないけど
行かないわけにもいかないし
準備をして向かった