山内 ページ39
「ねぇ」
「ん？」
「、、、なんでもない」
「へ？なんやねん笑」
いつもと変わらない日常
彼女は食後にコーンスープを飲むのが日課
でも今日は見たことないハーブティーを飲んでいる
少し違和感を覚える
「ただいま」
珍しく部屋の明かりがついてない
いつもより遅い時間だから
先に寝たんかな？
テーブルにはいつも通り
夕食が並べられていて
電子レンジで温めて
いただく
「ご馳走様でした」
こうやって別々に食べることも
最近は増えてたから何も感じなかった
お風呂に入りスマホを少し見てから
寝室へと向かった
「え？」
彼女の姿がない
「A？どこ？」
ドアというドアを開けて
必死で彼女を探す
玄関を見ると彼女のお気に入りの靴だけが
なかった
電話しても出ない
彼女が行きそうなところもわからない
急にいなくなってしまった彼女に
ただ呆然とするしかなかった
数日後
唯一、俺の彼女を紹介していた福井に
呼び止められた
「山内さん」
「ん？」
「ちょっといいですか、、？」
福井の分の飲み物を買い
ソファーに座る
「あの、、最近Aさんとは？」
「あぁAなぁ、、」
「山内さんに言うかどうか迷ってたんですが」
福井が神妙な面持ちになったから
胸騒ぎがしてきた
「Aさんとこの間ばったり会うたんですよ」
ドキッとしたけど平然を装い
話を聞く
「〇〇病院で」
「病院？」
そうなんです。と言った福井の顔は曇ったまま
「僕の方からお声がけさせてもらって
そしたらAさんが
体の調子が悪くてって」
「は？そんなん俺聞いてへんのやけど」
あんなに一緒にいたはずやのに
バッタリ会った福井には言うんか！？
「山内さん、落ち着いてください
僕その事を山内さんに言うなと
口止めされてたんです」
「最近山内さんが上の空やって
濱家さんから話聞いて
もしかしてAさんが
関係してるんちゃうかな？って」
持っていた缶コーヒーを一気飲みする
頭の整理が付かへん
なに？Aが調子悪くて病院？
俺に言うなってどういうことやねん
「余計なお世話やったかもしれませんが」
福井が俺に頭を下げてきた
「いや、そんなことない
話してくれてありがとうな」
失礼します。と福井はその場を去った
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 97人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：いたちっこ | 作成日時：2022年10月20日 17時
