盛山 ページ38
「いけーーーっ！」
「あーっ！惜しっ！」
「「いえーーーい！！！」」
とうとうやってきた4年に一度のW杯
普段サッカー番組を見ない私が
なぜ見ているのか。
「ちょ！それはないやろ」
隣にサッカーに熱い男がいるから
「盛山さん、今日朝から仕事ですよね？」
時計を見ると余裕で日付を超えている
なんなら日本代表の試合終わってるのに
「Aちゃん今ええところやから」
「あ、はい、、」
ここの家主がどちらか分からないほど
サッカーに集中している彼
だんだんと眠くなってきた
明日も仕事だからそろそろ寝たいけど
でも盛山さんがいるのに寝たくない
「よし！この辺で、、、」
試合も終わりそろそろ帰ろうと
彼女に声をかけたが
既に眠っている様子
「おーい、Aちゃん寝たん？」
一応小声で寝てるかの確認
返事は返ってこない
「いつも突然押しかけてごめんな」
今日みたいに夜遅くまでおっても
文句ひとつ言わへんねん
「男ってそういうん期待するんやで」
優しく頭を撫でる
俺やって何とも思ってない子の家に
来おへんのよ
「まぁ今日は寝顔見れたからええか」
ソファーにかけてあった毛布を
Aちゃんに掛けて
静かに家を出る
「んー、、あれ？」
身体にかかった毛布
静かになった部屋
それに電気も消えてる
盛山さん帰っちゃったんだ
「もう！なんで寝ちゃったのよー」
寝落ちしてしまったことに落ち込みながら
スマホを確認すると
盛山さん寝てる時俺の名前呼んでたで笑
そのメッセージを見て顔が熱くなる
もうほんとむり。
恥ずかしすぎでしょ。
盛山明後日も試合あるからよろしくな
Aはい!楽しみです!
「楽しみ、、かぁ」
喫煙所でタバコを吸いながら
明後日のことを考える
サッカーも楽しみやけど
Aちゃんに会えるのも楽しみやから
その時は
「「気持ち伝えられるといいな」」
end
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作者名：いたちっこ | 作成日時：2022年10月20日 17時
