河井 ページ35
「ほな行ってくる」
「気をつけてね」
「お土産買ってくるわな」
アインシュタインの劇場日
今日は大阪だから新幹線移動なはず
実は内緒でチケットを買っているから
これから私も準備して大阪へと向かう
ゆずるくんはそのまま大阪で仕事だから
一泊してくるはず
最終の新幹線に乗れば大丈夫
ゆずるくんと付き合う前からお笑い好きだった私は
週末は必ず東京の劇場に通っていた
濱家さんファンの私にとって26期生が揃うことは
奇跡としか言いようがない
今、ゆずるくんと付き合ってることも
奇跡なんだけどね
劇場終わり
出待ちをしていると濱家さんがやってくる
以前にも増して女性ファンが多くて
なんとか見える位置まで来た
「は、濱家さん！」
私の呼びかけに反応して振り返ってくれた
「あれ？前よく来てくれてた子やんな？」
「そうなんです！今日も凄く面白かったです！
これどうぞ、」
「ありがとう、また来てなぁ」
ファン対応もさすがの濱家さん
久々に出待ちしたけど大変だなぁ、、
なんて呑気に考えていたら
「「キャー」」
新たに黄色い歓声が上がっていた
そちらに目を向けると
アインシュタインと和牛が
こっちに向かって歩いている
(ヤバい、ゆずるくんに見つからない様に)
急いで人混みの中へ
なんとかバレずに済んだかな？
新幹線で東京に帰る
ゆずるくんからいつもなら連絡来るはずなのに
何も来ない
スマホの通知を確認しても音沙汰無し
すると、前から歩いてきた人が
わたしの席の近くで立ち止まった
「あれ、、？Aちゃん？」
え？と思い顔を上げるとそこには
相方の稲田さんがいた
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作者名：いたちっこ | 作成日時：2022年10月20日 17時
