リリー ページ21
「ほんま、見返したんねん！」
「そうやそうや、見返したりましょ！」
「お前も言える立場ちゃうやろ、女たらしが」
先輩のAさんが彼氏に浮気されたんやって
同棲してたらしいけど女連れ込んで
その場で彼氏にフラれたらしい
「なんでリリーしか飲みに来ぉへんの？」
「やってAさん酔うと面倒くさいって」
「誰や！？そんなん言うたの」
「みんな言うてますよ笑」
酔ってギャーギャー騒ぐ彼女は
劇場の時とのギャップがすごい
みんなにちゃんと挨拶して
悩んでる子おったら相談に乗ったり
頼れる姉御的な存在やから
「いつも愚痴言う時はリリーやなぁ」
「呼ばれる身にもなってください」
「そんなん言うて嬉しいんやろ？」
豪快に笑うこの人の事を好きになったのは
いつからなんやろ？
「ほら。もうそろそろやめときましょう」
「まだまだ！もう限界まで呑んだんねん！」
飲み出したら止まらないのはいつもと同じ
それを見ていつも笑ってしまう
「何があかんかったのかなぁ、、」
消えて無くなっていきそうな声に
ギュッと胸が苦しくなる
「あかんことなんてないですよ」
「あーあ、また今期逃したもうたわ笑」
グラスに残ってたお酒をグイッと飲み干して
そろそろ帰ろか？と話すAさん
「もし、俺が東京進出して売れたら」
バックから財布を出そうとしたAさんの
手が止まる
「Aさんまだ1人やったら
俺、迎えに行きますから」
「へ、！？な、何言うてるん。酔っ払ってんの？」
「俺そんなに飲んでないっす」
「先輩揶揄うのもええ加減にしぃや」
Aさんが手を振りかざしたから
叩かれる直前で腕を掴む
「いや、俺本気っすよ」
「そ、そんなんわからへんもん
リリー女の子いっぱいおるやんか」
「Aさんが本気やって証拠見せます」
スマホを取り出しLINEを開く
俺が女の子全員と切れていること
それをAさんに見せた
「言うときますけど、本気になったら
俺一途なんで」
Aさんの顔がほんのり赤い
「その辺の男にまた引っかからないでくださいね」
「い、言われなくてもわかってるわっ！」
ちょっとくらい意識してくださいよ？
end
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作者名：いたちっこ | 作成日時：2022年10月20日 17時
