リリー ページ3
Aいままでありがとう
「は？」
LINEを見てそう反応せざるを得なかった
「お疲れっす」
東京進出してからというものの
ありがたい事に朝から晩まで
仕事入れさせてもらってる
「お！リリー」
「濱家さん、お疲れ様です」
「見取り図も忙しそうやなー」
「かまいたちさんには負けますよ」
偶然廊下で濱家さんに遭遇した
先輩の背中を追ってここまで来たけど
この人らはほんますごい
「これから飯でも行くか？」
「え？いいんですか？」
「ええよ、ほないこか」
急遽決まった食事会
濱家さんとご飯なんか大阪以来やから
めっちゃ嬉しい
はずやのに
「ん？リリーなんかしたん？」
いつもよりお酒の進みが悪い俺に
すぐ気付いてくれる濱家さん
「いや、なんもないっすよ」
「明らかにおかしいやん、ずっと上の空やし」
何年一緒にいると思ってんねん、なんて
笑い飛ばしてくれるほんまいい先輩
「実は彼女から、いままでありがとうってメールで」
「え！？Aちゃんから？」
俺とAは大阪からの付き合いで
それこそ俺の家で飲む時は
お酒、おつまみ、ご飯まで用意してくれてた
濱家さんも何度か会ったことがある
「そんな素振り見せたことなかったんです」
「んー、でもなんか原因あったんちゃう？
最近喧嘩したとか？」
思い返してみても喧嘩することも無い
というか、まともに会話すらしてへんかも
「Aちゃんリリーにベタ惚れやったのに
何したんやろな、、」
「感情の変化ってありますからね
もういいです、せっかく濱家さんと飲めるし
すいません。こんな話しちゃって」
さっ！飲みましょ！と濱家さんのお猪口に
お酒を注いだ
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作者名：いたちっこ | 作成日時：2022年10月20日 17時
