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「ありがとうございます」
テーブルにスーパーの袋を置いてから
また定位置に戻る山内さん
もう気にしすぎると止まらないから
夕ご飯の準備に取り掛かった
「ご飯できましたよー」
「ん」
相変わらずスマホを真剣な眼差しで見つめる
「「いただきます」」
静かにもぐもぐ食べてる時は美味しい時
付き合いだしてから知った事
そして食べ終わったら流しに置いてくれる
これは同棲し出してから知った事
しばらくしてお風呂に行った山内さん
私をほったらかしにする原因となった
スマホはテーブルに置かれたまま
しばらくすると通知が届いた
ほんと興味本心なだけだったの
見てみたいなーってちょっと思っただけ
［LINE］はな
明日は夜からでしたら大丈夫です。
「えっ」
やっぱり携帯なんか見るものじゃないな
今のは通知来たのが悪いもん
それに見える位置に置いておくのが悪いもん
変なドキドキが止まらないし、手が震える
私たち付き合ってから3年近く経つけど
いつから？同棲始める前？後？
聞きたいことはたくさん出てくるのに
これを山内さんに聞いてしまったら
全てが終わってしまいそう
「Aも風呂入ってきたら？」
山内さんの声が聞こえてﾋﾞｸｯとなる
「う、うん、入ってくるね」
いつもと違う、少し不自然な私に気付いたのか
首を傾げながらテレビを見始めた
「相当堪えるなぁ、、」
お風呂に浸かりながらいろんなことを考える
浮気する方が悪い、浮気される方が悪い
どちらとも取れる今の状況
目を閉じると今までの楽しかった思い出が
ばーっと出てくるのに
「最近いつ出かけたっけ？」
もう半年くらい前？
「スキンシップは？」
私が先に寝て、起きたらもういないから
完全にすれ違い
「その兆候はあったのか、、、」
ぶわっと込み上げてくるものを
抑えられなくてボロボロと流れ出る
「っふ、うぅ、、っ」
なるべく声を出さないように泣いた
この際スッキリするまで泣いちゃおう
そして彼とちゃんと向き合おう
少しのぼせ気味だけど
なんとか着替えてリビングへと戻った
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作者名：いたちっこ | 作成日時：2022年10月20日 17時
