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山内 ページ12
「あのー、山内さん？」
さっきからずーっと呼んでるんだけど
こちらを見ることなくスマホに夢中の山内さん
わたしの声届いてま、、せんよね〜苦笑
「おーい」
身振り手振りで気づいてもらおうとアピールするも
作戦は見事に失敗に終わる
もしや、最初から私はいない設定になってる？
スマホに夢中な彼を見つめても
全然気づいてもらえないから
もういいや、買い物して来よ
きっと話しかけても聞いてないから
携帯だけ持って家を出た
久々に夜ご飯一緒に食べれるから
スープカレーでも作ろうかな
とりあえずカレーの食材と
2人分のデザートを買って自宅へと戻る
途中で見慣れた人が向こうから歩いてきた
「おった」
「どうしました？」
「どうしました？やあらへんやろ
何回も電話したのに出ぇへんし」
「あっ」
確認すると山内さんから着信があった
「ごめんなさい、気付かなくて」
「何のためにスマホ持ってんねん」
「ごめんなさい」
「もうええ、とりあえず帰るで」
数歩先を歩く彼の手には
私がさっきまで持っていた
スーパーの袋がある
手繋ぎたいなぁなんて思っても
山内さん嫌がるだろうし
何も持ってない両手を見つめ
寂しさを募らせた
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作者名：いたちっこ | 作成日時：2022年10月20日 17時
