102 ページ9
.
.
檜山「隣、いい？」
「うん、どうぞ」
檜山「何飲む？」
「一旦ウーロン茶で」
檜山「さっきすごい飲まされてたしね」
ほろ酔い気味なのか、ほんのり顔を赤くした檜山くんが隣に座ってきた
さっきまで皆んなと固まって飲んでいたけれど、少し休憩ということで端の方に座ってボーッとしていた
運ばれてきたお酒を見て、お互いもうお酒が飲める歳になったなんて
改めて感慨深いものだ
檜山「大学生活楽しい？」
「うん、楽しいよ」
檜山「まさかAちゃんが、大阪行くとは思わなかった」
「誰にも言ってなかったしね、檜山くんはどう？」
檜山「楽しいよ、一個上に竜生いるし」
その後、暫し沈黙が走った
気まずさをどうにかしたくて手元のお茶をグッと一気に流し込んだ
やっぱりまだアルコールの独特の感じが苦手だ
檜山「明日の夜さ、高校のやつらと集まるんだけど来る？」
「誰がいるの？」
檜山「光輝とか、尚大とか……かなぁ」
わかりやすく大きく跳ねた心臓
さっきちらっと見えた黒ちゃんのストーリーに写ってた織山は私の知ってる織山じゃなくて
大人びてて、目を離したらどこかに消えてしまいそうなそんな雰囲気を纏っていた
さっきまで会えないかなって淡い期待を寄せていたのにいざ、会えるチャンスが出来てしまったら何故か会いたくないという気持ちが大きい
「ううん、明後日の始発で帰るから」
檜山「そっか残念」
「うん、また誘って」
心のどこかでホッとした自分がいる
檜山君とは湧の話しかしたことがなかったから彼がどこまでこちらの恋愛事情を知っているのか不思議に思った
檜山「Aちゃんさ、綺麗になったよね」
「檜山君酔ってる？」
檜山「全然」
「お酒強そうだもんね」
檜山「あっちではいい人できた？」
"いい人"か
世間からすれば西村が"いい人"に当たるんだろうけど、私たちはそんな関係ではない
この2年間何もなかった訳ではないけれど、「恋をしていたか？」と聞かれればそんな綺麗なものじゃないし
「まだ見つかってないや」
檜山「ふーん、」
「そっちこそ、うちの高校のリア恋枠だったくせに」
檜山「残念ながら夏に別れちゃいました」
確かに彼のSNSの投稿には自分とは全く正反対の美人と仲睦まじい写真が数ヶ月前まで載っていた
何があったかは深く聞かないけれど綺麗な恋愛にも終わりがあることは確かなんだなとぼうっと頭の片隅で考えた
.
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 999人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あい(プロフ) - また更新してくださると嬉しいです。よろしくお願いします (2022年5月23日 8時) (
レス) id: a32fa7a3f3 (このIDを非表示/違反報告)
NONAME(プロフ) - また更新してほしいです！よろしくお願いします (2021年11月1日 1時) (レス) @page24 id: 35cbaa669a (このIDを非表示/違反報告)
あや☆彡(プロフ) - 更新ずっと待ってました！これからもゆっくりで大丈夫なので楽しみにしてます！ (2021年8月26日 0時) (レス) id: 406abc7896 (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - 更新してくださってありがとうございます！めっちゃ楽しみにしてました！ (2021年8月24日 17時) (レス) id: 3887069233 (このIDを非表示/違反報告)
ふーか - 続きが気になります！更新、待ってます!! (2021年4月23日 15時) (レス) id: c4a626600f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぬ | 作成日時：2020年12月30日 12時
