short story for･･･ (ページ37)

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リップ／YOSHIKI(X JAPAN) ページ37

「うーん。こっちもいいけどこっちも捨て難い･･･」

私が何に悩んでいるのかというと。

「赤すぎてもケバくなるしピンクは服に合わないし･･･」

そう、口紅の色だ。

「じゃあこれ使ったら？」

「えっ？」

後ろからYOSHIKIさんの手が伸びてきて、ドレッサーの上に静かにいかにも高そうな口紅を置いた。

「きっとAに似合うよ。僕が選んだんだからね」

さすがにこんな高そうな物自分には勿体ないと思い手に取るのを躊躇してしまう。

「どうしたの？気に入らなかった？なんなら僕が塗ってあげようか？」

「いえ！凄く嬉しいです！けど受け取れません」

「何で？」

するとYOSHIKIさんは私に視線を合わせるように屈んだ。

「君は僕がこの地球上で1番愛する人で、この世のどんな物よりも美しいんだよ？だからこのリップをつけてもっと美しくなった姿を見せて？」

全身の血液が顔に集まって来るのを感じた。

YOSHIKIさんがそこまで私のことを思ってくれているなんて。

そうこうしていて、気がついたらYOSHIKIが口紅のキャップを取り外しおもむろに自身の唇に塗った。

「YOSHIKIさん！？」

「じっとしてて」

「んっ･･･」

それから間もなく私たちの唇は重なった。

「ふふ。いい感じ鏡見てみて」

鏡を覗くと鮮やかな口紅をまとった私がそこにいた。

「キ、キスすることないじゃないですか！」

「あれ？嫌だった？」

「嫌じゃないですけど！」

「じゃあもう1回」

再び唇が重なりYOSHIKIさんは呟いた。

「綺麗だよA･･･」

今日の夜は月が綺麗に見えそうだ。

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「気に入ってくれた？」
「はい！」
「いつでもリップ塗るときは呼んでね！」
「次は自分で塗ります！」