short story for･･･ (ページ21)

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知りたい／窪田正孝ページ21

「このままじゃ進級は難しいよ」

欠席日数が多すぎて担任の先生に呼び出された。

放課後、ちょうど夕日が綺麗に見える時間帯。

少女漫画とかだったらロマンティックな場面なのだがシチュエーションがまったくもってあっていない。

「何かあったの？先生にだけ教えてくれない？」

この女に言ったってなにも変わらない。

何も知らないくせに。

「Aさん？聞いてる？貴方の為にこうやって話をしているのよ」

「･･･余計なお世話です」

こんな空間に耐えられなかった。

「もう帰ります。失礼しました」

私は教室から飛び出した。

いつから私は学校という場所が嫌いになったのだろう。

勉強も部活も楽しくて仕方なかったのに。

いつから私はクラスの人間から物を隠されたり落書きをされ始めたのだろう。

考えれば考えるほど頭が痛くなる。

「きゃっ」

「わぁ」

そんな事を思いながら歩いていたら誰かとぶつかってしまった。

「ごめんなさい！」

「大丈夫だよ。あれ？Aさんだ」

「窪田先生！」

国語の教科担任の窪田先生がにこにこしながら立っていた。

「どうかしたの？」

「何も無いですよ」

とっさに嘘をついてしまった。

「嘘、バレてるよ」

「えっ」

「Aさんが何に悩んでいるのか僕には分からない。だから話してくれないかな？」

優しく窪田先生は言った。

「君の事がもっと知りたい」

この人になら素直に話せるだろうか？

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「泣きたい時は泣いていいんだよ」
「･･･胸を借りても良いですか？」
「どうぞ！」