short story for･･･ (ページ20)

今日:14 hit、昨日:3 hit、合計:75,645 hit

祭り･花火／白井眞輝([Alexandros] ) ページ20

夕方6時、駅の中も外も人でごった返している。

そう、今日は花火大会が実施される為このような自体になっている。

等の私もその花火大会に行こうとしている訳で、ある人と待ち合わせをしている。

「おーい、Aー」

「眞輝！」

紺色の着物をまとった彼が向こうからやってきた。

「お待たせ、着付けが上手く出来なくて遅れちゃった」

「そうなの？綺麗に着れてるね！」

「ありがとう、Aも可愛い」

「ありがとう！」

その後電車に乗って人混みをわけながらなんとか会場に着いた。

「A、手」

そういって右手を差し出した眞輝。

「繋げってこと？」

「はぐれちゃうから」

眞輝にリードされながら出店を回る。

「たこ焼き！あっ、わたあめだ！焼きそばも食べる！」

「はしゃぎ過ぎ」

こうやって眞輝といるだけで心が踊った。

「もうすぐ花火あがるよ」

「じゃああっちで見よう！」

「あっ、A！」

移動しようとした時、お互いの手が離れてしまった。

「眞輝？」

見渡しても眞輝の姿はない。

「どうしよう･･･」

行く宛もなくとりあえず花火が見えやすい所に足を運んだ。

「眞輝･･･どこ･･･」

ひとりになってしまった不安から涙が出てきた。

すると突然、温かいものに包まれた。

「見つけた」

「眞輝！」

「もう離さないよ」

それはちょうど花火があがるのと同じタイミングで言われた言葉だった。

―――――――――――――――――――――――
「泣いてた？」
「泣いてない」
「･･･よしよし」なでなで
「･･･眞輝ー！」ぎゅー