short story for･･･ (ページ15)

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宵が覚めるまでは／窪田正孝ページ15

「お疲れ様でした！乾杯！」

「乾杯！」

長かったドラマの撮影が終わり共演者の皆さんやスタッフの皆さんと打ち上げをしている。

「Aさん、お疲れ様」

「お疲れ様です、窪田さん」

窪田さんが私の隣に座った。

「あれ？Aさんも飲めないの？」

「はい！そうなんです」

「じゃあ僕と一緒だ！」

その後話に花が咲いてずっと窪田さんと話していたが近くにあった飲み物を口に含んだ時私は意識を手放した。

「･･･さーん、Aさーん」

どこからか窪田さんの声がする。

ゆっくりと目を開けると心配そうに窪田さんがこちらを見ていた。

「大丈夫？、今お水持ってくるね」

そう言うと窪田さんは何処かへ行ってしまった。

そうだ、ここお店だった。帰らないと･･･。

しかし、周りを見渡すとさっきまでいたお店ではなく誰かの家の様で、私はソファで寝ていた。

此処は･･･

「窪田さんのお家？」

「そうだよ」

窪田さんが水を持って立っていた。

「びっくりしたよ。1口お酒飲んだだけで倒れちゃうから」

水を受け取りながら此処に来た経緯を聞いた。

「そうだったんですか。すみませんご迷惑をお掛けしてしまい」

「いいのいいの。あのまま置いていく方が危険だからね。近頃危ない人が多いから」

ガオーと狼のモノマネをする窪田さんがとても可愛らしいかった。

「じゃあ、私帰りますね」

「泊まっていけば？」

窪田さんの発言に驚きを隠せなかった。

「でも、その、迷惑じゃ？」

すると、窪田さんの顔が近づいてきた。

「朝までずっといて欲しい」

耳元で囁かれる声に私は魔法がかかった様に頷いた。

「好きだよAちゃん･･･」

「窪田さん？」

「ずっと好きだった。だから放って置けないんだ」

突然の告白に戸惑っていると唇に柔らかいものが触れた。

そのまま長い間唇を重ねあった。

狼のモノマネをしていた彼とは打って変わって、それはとても大人なキスだった。

2人の関係はこれから始まる。

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「朝が来たら幻だったって事無いですよね？
「もちろんだよ」