＊ハイパーカレシ２＊ (ページ9)

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◇57◇ツナside ページ9

格好よくもない本音を伝えるのは少し怖くて、でも…

Aの気持ちを知りたい、確かめたい

近づきたいから

「俺も…怪我の手当習ってるの知らなくて…少し、ショックだった」

A「…え、」

「Aが新しいこと頑張ってるのを知らないのは…嫌だ」

…自分の声が情けなく聞こえる

でもこれが、俺の欲張りな本音だった

Aはきれいな目をぱちくりさせている

…やっぱり、困らせてしまっただろうか

A「…ごめんね？ツナくんにも言おうと思ってたけど、ちゃんと話す時がなかなか無くて…」

「…ほんとか？」

A「うん、ほんと。ツナくんには知っててほしいっていうか…報告しようって思うんだ。なんでだろう」

へにゃっとした笑顔を向けられて、かわいいのと嬉しい気持ちとで息が詰まる

「褒めてくれそうだからかな？」と冗談ぽく言うAに、どうしようもなく愛しさが溢れた

俺が褒めて喜んでくれるのなら、そんなの、いくらでも

A「…おんなじ気持ちだったなら、もっと話せばよかった」

「そうだな…」

でもこうして確かめられて安心した

もっとAと話がしたいと、そう思った

「A、俺、お前のこと知りたいって思う」

A「！」

「Aが頑張ってること、考えていること、思っていること……Aがよければ…教えてほしい」

A「…うん」

彼女は照れながらも頷いてくれた

そればかりか、懸命に言葉を紡いでくれる

A「わ、私にも…教えてほしい。今日何があったとか、どんなことをした、とか…」

Aは俯いていて目は合わないけど、俺はAから目が離せずにいた

恥ずかしいのに俺に伝えようと頑張ってくれているって…思うと

この胸がぐっと締まるような嬉しさは何だろう…？

「分かった、お前が望むなら」

A「うん」

Aは安心したように微笑んだ

リボ「おいツナ、そろそろ戻るぞ」

隣の山本の病室に行っていたリボーンが扉を開く

もっと話していたい気持ちはあるが、そうも言っていられないみたいだ

「俺も山本の所に顔出してくる」

リボ「さっさとしねーとラルがキレるぞ」

A「ツナくん、おでこは絆創膏貼っといたからね」

「ああ、ありがとう」

Aに手当してもらえて、話ができて…傷だけじゃなく気持ちも満タンに回復した