＊ハイパーカレシ２＊ (ページ39)

今日:3 hit、昨日:19 hit、合計:63,847 hit

◇87◇ ページ39

微笑んだ彼を見たら、急に心臓がうるさく鳴り出して…

逸らしてしまいたいのに、目が離せない

「っ、あのね、それ縫ってる時にリボーンくんが、ツナくんいつもポケットに入れて持ち歩いてるって教えてくれて……これ、」

ツナ「！」

「つけてみました」と手渡したのは、ツナくんのパーカー

同じく京子ちゃんから教わりながら、お守り用に内ポケットを縫いつけた

ツナ「これ、いいな」

「…色々、勝手にしちゃってごめんね」

ツナ「何言ってるんだ、“勝手”じゃなくて“サプライズ”だろ？」

ツナくんは心底嬉しそうに…愛おしそうに微笑んで、お守りを口元に寄せた

まるで…キスをするかのように

ツナ「すげぇ嬉しい…。ありがとうな、A」

「っ…、うん…」

…泣きそうだ

喜んでくれているのが、疑う余地もなく伝わってきて

“前の方がよかったって思わないかな”なんて心配していたのがバカみたいだ

ツナくんはそんなこと思わない…

いつだって素直に受け入れて包み込んでくれるのに

ツナ「明日はこれ着て……あ、」

「…明日は過去に帰るための大事な日でしょ？みんな知ってる」

ツナ「…そうか」

「……ツナくん、」

ツナ「ん？」

「また…あの時みたいに戦うの？」

私の質問に、彼の表情が少し険しくなった

ツナくんは何も言ってくれなくて…ただ沈黙が流れていく

またあの日のように…隼人と武のように…酷い怪我をしたら

…もしものことが、あったら…

嫌な想像が膨らんでいってしまう

君が傷つくのが何よりも怖い

だけど…みんなのためにそうまでして頑張ってくれるのに、引き止めるようなことはできない…

「……私、夕飯の準備あるから行くね。洗濯物拾ってくれてありがとう」

ツナ「っ！A、」

「今夜はパーティーだから、楽しみにしててね」

ツナくんから洗濯物を奪うようにして、私はその場から走り去った

…ツナくんが追いかけて来なくてよかった

今、君と一緒に居ると…私は余計なことを言ってしまうだろうから