＊ハイパーカレシ２＊ (ページ30)

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京子ちゃんのお兄さんが連れ帰ったという女の子、“クロームちゃん”

私達と同じく10年前から来たそうだ

ビアンキさんに、ツナくんの大切な仲間だと教えてもらった

指示に従い、懸命に手当てしたけど…

ビアンキ「深刻なのは外傷よりもむしろ栄養失調だわ。何日も食べていないのね…」

…私はこの世界に飛ばされて来た時ツナくん達が居てくれたけど、この子は周りに誰も居なくて、今日までずっと独りぼっちだったんだ

「もし自分がそうだったら」と考えると怖くて堪らない、きっと耐えられない

クロームちゃんの冷たい手をそっと両手で包んだ

この子が元気になれるように、私にできること何だってしよう

…

「こんな感じで大丈夫かな…？」

京子「うん、バッチリ♪」

京子ちゃんの言葉にほっと息を吐く

みんなの新しい修業が始まってから、こうして針仕事をすることが増えた

破れた服から、修業の厳しさが伺える

お裁縫は料理同様、得意ではなかったけど…

上手な京子ちゃんに教えてもらっているうちに、綺麗にできるようになってきた

京子「キリもいいし、一旦休憩しようか」

「そうだね。私、ちょっとクロームちゃんの様子見てくるね」

私が行って何ができる訳じゃないけど…やっぱり気になってしまう

第1医療室へ向かうべく5階でエレベーターを降りると、向こうからランボくんを抱えたハルちゃんが歩いて来るのが見えた

「あ、ハルちゃ…、！？」

…2人は泣いていた

ランボくんはいつもなら大声を上げて泣くのに、堪えるように涙を流していて…それが余計に不安を駆り立てる

とにかく私はハルちゃんに駆け寄った

「どうしたの！？」

ハル「Aちゃん……、ツナさんが…ツナさんがっ…」

「ツナくん…？」

ハル「っ…」

ハルちゃんは堪えきれないという様子で駆け出し、エレベーターに乗って行ってしまった

ツナくんと何があったんだろう…

この階のどこかに居るであろう彼に事情を聞くため、2人が来た道を戻ってみる

扉が開きっぱなしの応接室の前を通りかかった時、中に誰かが居るのが目に入った

「あ…」

そっと覗くと、ソファに座って項垂れているツナくんを見つけた