12話 ページ12
その後私達は、近くの大型ショッピングモールに行ってまるで友達のように遊んだ。
人生で初めてのプリクラも撮った。
何かをするたびに泣きそうになる私を見て、徐々に打ち解けていった合歓さん、いや合歓ちゃんはその明るい太陽みたいな笑顔で笑ってくれた。
「…いや〜、遊んだね!こんなに楽しかったの久しぶりかも」
『そうだね…』
打ち解けた私達は、お互いタメ口で話すことにしたのだが私はまだ慣れず少し言葉に詰まってしまった。タメ口なんてほとんど使ってこなかったから仕方ない、と思うことにした。
両手に荷物を持った私達は左馬刻さんのマンションに向かっていた。
お金は私達が出かける前に左馬刻さんがクレジットカードを持たせてくれたらしい。
なんか悪い気がする…と言った私にこういう時は気にせず使っとくべきだよ‼使ってないとお兄ちゃんの顔が潰れちゃうよ!といって合歓ちゃんはいたずらっぽく笑った。
「…あっ、もうこんな時間だ!私また用事あるからここで帰るね。」
合歓ちゃんはごめんねと困ったように眉を下げ、私に別れを告げた。きっとマンションに寄るつもりだったのだろうけど、予想していた以上に私達は遊んでしまっていたのだろう。
駆け足で駅に向かう合歓ちゃんの後ろ姿を見送った私は、また左馬刻さんのマンションへと足を進めた。
マンションに着くと、私はフロントのインターホンを鳴らした。防犯カメラが設置されたフロントにインターホンの音が響く。
ガチャッとインターホンに出る音が聞こえ、私だと向こう側からは見えるのか無言でフロントの扉が開かれた。私は少し戸惑いながらもありがとうございますといってマンションの中へ入っていった。
『ただいま、帰りました…』
部屋の扉は開いていた。
きっと左馬刻さんが開けてくれていたのだろう。
靴を脱ぎ、リビングの扉を開けるとソファに座った左馬刻さんと目が合う。
『あっ、…?』
左馬刻さんの隣にはかっちりとスーツを着込んだ男性と、その後ろのキッチンには背の高い軍服を着た男性がいた。
父のせいで男性があまり得意でない私は少し後ろに後ずさってしまう。
「A大丈夫だ、こいつらは俺の仲間だ。」
『えっ、と…、仲間…ですか…?』
「ええ、そうですよ。」
私の声に、スーツの男性が答える。
男性は立ち上がり私の方に近寄ってくる。
座っていてわからなかったがその男性ももちろん背が高く、私は動けずその場で固まることしかできなかった。
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夕妃(プロフ) - Thistle*さん» コメントありがとうございます。合歓ちゃん可愛く書けるようにがんばります(*^^*) (2019年3月29日 17時) (レス) id: 9a4bb61595 (このIDを非表示/違反報告)
Thistle* - ねむちゃん可愛い(#´∀`) (2019年3月21日 23時) (レス) id: d67f03efe8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花野 | 作成日時:2019年1月19日 0時