氷帝学園でトキメキ体験中

忍足侑士は余裕 ページ8

ザーザーと降る雨。
相変わらず傘は持たない主義の私、多少の雨でも別にいいやとか思って舐めてたけど結構降ってるわ。

「ねえ忍足、傘入れてー！」

雨が降ると忍足に傘を入れてもらうのが何故か日課になってる。少し居心地がいいからかな。

「…Aが傘持ってきてるとこ見たことないねんけど」

「ほら、私荷物多いじゃん」

「知っとる？小さい鞄持っとる女の子は美人らしいで」

「遠回しに私の事貶してるわよねそれ」

2人肩を並べて歩き出す。
異常に近い距離にいつも少し緊張する。

「なあ、A」

「んー？」

忍足の方を向くと少し近い顔にびっくりする。
本当にイケメンだわコイツ。

「何でいつも俺なん？宍戸とか日吉でええやろ」

「あーーほら。その2人だとドキドキしちゃうじゃん…マイエンジェル達よ？緊張して仕方ないわ」

「ふーん」

聞いてきたくせに興味のなさそうな声
その声も私の耳と近くてというかいつもより近くない…？…ってダメダメ考えちゃダメよ

「なーによ、聞いてきたくせに」

「Aの癖に生意気やわ。他の女の子やったらもうちょい可愛ええ反応してくれるで」

「そーいうとこ直した方がいいわよ…」

別にドキドキしてないわけじゃない。
寧ろ耳元に近い声やいつもより近い距離、慣れる訳が無い。けど認めたら負けた気がするじゃん！

「なんやA、照れとるやん。」

「は？何ほざいてんのよ」

「無意識に顔逸らしとるで。素直やないな」

だんだんと私の耳元に近づけで囁いてくる忍足。

「なっ、…う、自惚れてんじゃないわよ！」

咄嗟に体を話すとすごい勢いで引っ張られる。
ちょ、近い近い！！

「濡れるって。もうちょいこっちき」

「ご、ごめんって！充分ドキドキしてるしもうこれ以上あれだしキャパオーバーするって！！ほんとアンタイケナイ匂いがすると言うかまじで」

「ぷっ、慌てすぎや」

急に笑顔になった忍足を見て安心する。

「もう、やめてよね…」

「なんちゅーか、プライドやわ」

「ゴメンって…充分分かったわ、アンタ心臓に悪い」

思い出すだけで顔が赤くなるのがわかる。
イケメンと至近距離でドキドキしないわけないわよね…。

「当たり前やろ」

「ばかアホ忍足」

「小学生か。まあ、Aにしては可愛ええ反応してくれたやん」

ニヤっとしながらこちらを見る忍足。
余裕なのが腹立つ！

「もっと可愛ええ反応してくれたら、もうちょいサービスしてやるんにな」

またまた余裕の表情をして少し微笑んだ。

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